「そのロットでなければ」
私が新型コロナワクチンについて勉強していくうちに、共通の知人を通じてMeiji Seika ファルマの現役社員の方と出会いました。詳しく情報を収集している人で、当然、晃大に起きたことも知っていました。「同じ会社で働く社員が亡くなってとても心を痛めています。社内でmRNAワクチンの安全性に疑問を感じている人間は自分だけではありません」と話してくださいました。
そこから交流が始まり、「彼が生きていた証を残したい」とまで言ってくれ、やがて「チームK」による本が作られることになるのです。
実は晃大にとって、2回目のワクチン接種は予定外のものでした。
彼が担当していたクリニックの院長さんから「キャンセルが出たから打つかい?」と言われて、「お願いします」ということで急遽、1週間の仕事が終わる金曜夕方に接種することになったそうです。
もともと1回目を接種していますし、体調やスケジュールを見ながらいずれ2回目を打つつもりではあったろうと思います。
とはいえ、お世話になっている院長さんから優遇とも言えるようなお誘いを受け、もし嫌だったとしても断れなかっただろうとも思います。
私もチームKによって知ったのですが、晃大のような製薬会社の営業マンであるMRは、担当する医師からワクチン接種を勧められて打つことになったケースが珍しくなかったようです。
コロナ禍による受診率低下で、多くのクリニックの経営が厳しくなっていた時期でもあります。ワクチン接種の推進は医療機関にとって特需だったとも聞きます。
因果関係は不明ながら、新型コロナワクチンの同一ロット(製造時の最小のまとまり)で複数の健康被害が出ているものもあります。「キャンセルが出ていなければ」「そのロットを打っていなければ」、晃大は生きていたかもしれないと、つい考えてしまいます。
他にも、後から知ってショックだったことがあります。
mRNAワクチンは、10〜20代の若年男性の心筋炎や心膜炎といった心疾患の発症リスクがあるのではないか、という情報は、接種が先行していた米欧から日本に早い段階で入っており、一部の医師などは警鐘を鳴らしていたそうです。
しかし、厚労省がワクチン添付文書の「重大な副反応」項目に心筋炎・心膜炎を明記させ、注意を呼びかけることを決めたのは、晃大が亡くなった後の2021年12月のことでした。
◆本記事の全文は「文藝春秋 電子版」に掲載されています(「最愛の息子はワクチンで死んだ」)。
全文においては、『私たちは売りたくない!』が生まれた詳細な経緯、晃大さんの幼少期と社会人としての軌跡、晃大さんの死の瞬間、厚労省が公表したデータの問題点、新しく開発された「レプリコンワクチン」の効果などについて語られています。
【文藝春秋 目次】昭和100周年記念大特集 昭和100年の100人 高度成長とバブル編/トッド×成田悠輔/最愛の息子はワクチンで死んだ
2025年1月号
2024年12月10日 発売
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