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前著を認知症患者とその周囲の人々の心の「すれ違い」を描いた作品だとするならば、今作は「認知症患者やその家族と、介護施設とのすれ違い」を描いた作品だ。
「今作で介護のプロとして小島美里さんという方が登場するのですが、小島さんは『良い施設なんてない』とまで言い切ります。というのも、結局は施設で働いている方々といかにうまく関係を築くかで、その施設での体験が様変わりするからです」
施設の種類や選び方のみならず、施設のスタッフとのコミュニケーションの方法や、関係の築き方まで網羅した同書は、認知症患者と共に生きる社会を作る上での心構えをも学ぶことができる一冊だ。