破産か民事再生か――。経営再建に向け異例の宙ぶらりん状態にある大阪の家電メーカー・船井電機。発端は10月24日に裁判所に申し立てられた「準自己破産」の申請だった。経済部記者が解説する。
「通常は取締役会の決議を経て『自己破産』が申し立てられますが、『準自己破産』は取締役が単独で申し立てられる制度。船井ほどの規模の会社が『準自己破産』を選ぶこと自体が異例です」
申し立ては即日認められ、破産手続きが始まろうとしていた。ところが。
「9月に会長に就任していた原田義昭元環境相が、準自己破産を申し立てた取締役は申請時にすでに取締役を退任しており、申し立ての要件を満たしていなかったと主張して破産手続きの停止を求める特別抗告を東京地裁に提出したのです。同時に破産の必要はないとして民事再生での再建を表明。船井電機をめぐっては大混乱が起きている状況です」(同前)
「私は嵌められた」上田前社長の主張
裁判所の判断の行方に注目があつまる中、船井電機の沈没の張本人として各メディアで槍玉にあがっているのが9月末に辞任した前社長の上田智一氏(51)だ。いわく、氏の就任前に船井電機にあった300億円以上の現預金を使い果たし、資金繰りに窮する状況をもたらしたとされる。
「放蕩経営を続けた末に責任を投げ出して辞任したかのような報道がありますが、すべて事実に反します」
「週刊文春」の独占取材に応じた上田前社長は開口一番こう語った。
「私は嵌められたのです」
最盛期には4000億円に迫る売上を計上したこともある世界有数の電機メーカーの経営破綻の裏でいったい何があったのか――。
12月18日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」および19日(木)発売の「週刊文春」では、船井電機倒産の舞台裏で進行していた不祥事、上田前社長が「嵌められた」と語る相手の正体について詳報している。
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