私たちの生活の中にはさまざまな「色」があります。人間が認識できる色の数は、なんと100万色もあるそうです。
色に対してあまり強く意識を持っていない人が多いと思いますが、色には興奮作用や鎮静作用、リラックス作用があります。「赤」はお祭りのようなエネルギッシュなイベントで使われたり、寝室のライトは「真っ白」よりリラックス効果のある少し「オレンジ系の色」が使われていたりしますよね。
それでは記憶に良い色はあるのでしょうか?
単語を記憶する際にどの色で書かれていると記憶力が高まるかを調査した複数の実験の中に、「記憶には青がよい」というものがあります。その理由として、青色は心を落ち着かせる効果があるからといわれています。また文字の色は濃い色よりも「薄い色」がよいようです。
文字の大きさやフォント
文字のサイズは大きいものよりも「小さいもの」のほうが記憶に残りやすいです。これは薄い色が記憶に効果的であることと同様に、文字が小さいと、その文字を認識しようとして注意力が上がるため記憶に残りやすいという結果になったようです。
フォントの種類でも同じことがいえます。読みにくいフォントのほうが、はっきりと読めるフォントよりも記憶に残りやすいという実験結果が出ています。このような結果を最大限活用しようとすると、すべての文字を認識しづらい文字で書くことになります。
しかし、それではストレスが溜(た)まり、なかなか読み進められないと思いますので、基本的な文章は黒い文字で普通に書きつつ、覚えるべき重要な用語は薄めの青い文字で小さく書くとよいのかもしれません。PCなどで文章を作るときも、薄めの青い文字で小さく読みにくいフォントで書くとよいでしょう。
POINT 覚えたい用語は薄い青色・小さい文字・読みにくいフォントで書く
株式会社メモアカ代表取締役CEO、日本メモリースポーツ協会会長
東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻修了。記憶力日本チャンピオン。世界記憶力グランドマスター。大学4年時に記憶力日本選手権大会で優勝し、日本チャンピオンに。その後、さまざまな国際大会で好成績を収める。大学卒業後、株式会社福音館書店を経て、現職。株式会社メモアカでは、記憶術のオンライン学習サービス「メモアカ」など、記憶のサービスを提供している。著書に『記憶力日本チャンピオンの超効率 すごい記憶術』『東大式 頭の回転が100倍速くなるドリル』(総合法令出版)、『記憶王が伝授する 場所法英単語』(三省堂)などがある。