1ページ目から読む
3/3ページ目

年々悪化する混雑、ドライバーができる対策は

 NEXCO東日本の発表によると、近年「渋滞損失時間=渋滞によって人々が通常時よりもロスした時間」は増加傾向にあるという。2018年には過去のピークとされる1997年を上回り、さらにコロナ禍を経た2023年にも過去最高を更新している。 

 ■NEXCO NEXCO東日本公式サイト(https://www.e-nexco.co.jp/activity/safety/detail_07.html)より

 NEXCO各社も渋滞緩和に向けた施策をさまざまに試行してはいるが、それでも交通量の増大に追いついていないのが現状なのかもしれない。私たち個人としても、混雑時間帯を避けつつ、「渋滞の原因を作らない運転」を心がけたいところだ。

ADVERTISEMENT

©AFLO

 先に挙げた東名高速の事故渋滞のように、高速道路上での玉突き事故は、被害が複数台に及び、事故処理に時間を要するケースも多い。まずはとにかく、「車間距離を取る」という基本を忘れないようにしたい。

 車間距離が詰まった状態は、事故のリスクを高めるだけではなく、ブレーキ回数を増やすことにもつながる。車両が密集している状態でのブレーキは、後続箇所でじわじわと大きな減速を引き起こし、渋滞の原因となっていく。余計なブレーキを踏まないよう、「前の車が通過したポイントに自車が至るまで3秒」を目安に車間をキープしておこう。

出発前には「点検と準備」がマスト

 さらに事故やロードトラブルを避けるうえで、タイヤをはじめとする「車両状態のチェック」も欠かせない。JAFの発表によれば、昨年度の年末年始期間における高速道路上での救援要請のうち、約3割がタイヤ関係のトラブルであり、1日あたり50件以上の要請があったという。 

 最低でも、長距離移動の際にはタイヤの空気圧チェックと、極端な摩耗や損傷がないかの目視くらいはしておきたいところだ。不安があれば、ガソリンスタンドなどでスタッフに点検をお願いするとよい。

 もちろん事前に対策をしていても、想定外の事態に遭遇する可能性はゼロではない。先の関ヶ原ICのケースのように、丸1日車内から動けなくなってしまう例もある。水分や食料、非常用トイレや防寒用品など、万が一の際に車内で長時間過ごせるような備えをしておくとよいだろう。