正月ののんびりムードとは裏腹に、年末年始の高速道路には無数の車が殺到し、東名や関越道などでは毎年絶望的な長さの渋滞が発生している。さらに年によっては、重大事故などが重なり、無間地獄のごとき混雑へと発展することもある。

 はたして過去に生じた「ヤバい渋滞」にはどんなものがあるのだろうか。ここではNEXCO各社が発表する資料をもとに、過去10年の年末年始期間に発生した渋滞のうち、渋滞長トップ5となったポイントを紹介する。

「同じポイント」が4位と5位に

 4位と5位には、いずれも関越道上りの鶴ヶ島IC(埼玉県)付近で生じた渋滞がランクイン。

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 5位が2022年1月2日に起きた45.9kmの渋滞、4位が2016年1月2日の49kmの渋滞であり、群馬県の藤岡JCT付近まで、実にインターチェンジ8つ分(スマートIC含む)をまたぐ渋滞となった。

 もともと関越道の鶴ヶ島IC付近は、中央道や東名、東北道などへと接続する圏央道への分岐や合流により、多方面から混雑の影響を受けやすい。またその手前にある高坂SA(埼玉県)付近も、速度低下が生じやすい箇所が連続することから、渋滞のメッカとして知られるポイントだ。

写真はイメージ ©AFLO

 結果として休暇シーズンの関越道においては、例年30km規模の渋滞が頻発しており、混雑や事故の程度によっては40km規模に至るケースも少なくない。長期連休の際にしばしば関越道を利用している人にとっては、「さもありなん」な結果だろう。

 なお年末年始の関越道上り線においては、「旅行・帰省先の雪を屋根に載せたまま走る車」がしばしば見かけられる。5位に入った2022年1月2日にも「ドカ雪を載せたミニバン」の画像がSNS上に投稿される など、ヒンシュクを買うドライバーが多く目撃されていた。

 雪の塊を載せたまま走る行為は言うまでもなく危険であり、落下して後続車に衝突したり、スリップを誘発させたりする可能性もある。出先で積もった雪は必ず、出発前に下ろしてから高速に乗るようにしたい。

3位は納得の「渋滞の王様」

 3位にランクインしたのは、言わずと知れた渋滞スポットである東名高速の綾瀬SIC付近。2022年の1月3日、上り線において59.1kmにも及ぶ渋滞が発生した。神奈川県の綾瀬SICから、静岡県の御殿場JCT付近まで伸びる長大な渋滞である。

 恐るべきは、この渋滞が「NEXCOによる予想の範疇」であった点である。さすがに60kmなどという数字は示されていないが、同日の渋滞予測を見ると、まず綾瀬SIC付近では最大30kmの渋滞が予想されていた。さらに、その渋滞末尾から10kmほど手前にある都夫良野トンネル(神奈川県)付近でも最大20kmの渋滞が予想されており、実際にはこの2つの渋滞が接続された形となったわけである。