激ヤバ渋滞に共通する「ある法則」
今回は上位5つの渋滞を紹介したが、参考までに上位10つの渋滞をまとめた表を掲載しておく。
このように40kmを超えると、年末年始においては「その年の全国ワーストレベル」の渋滞規模となってくるようである。
注目すべきは、10位までにランクインしたのがすべて「上り線」であるという点である。つまり帰省や旅行に向かう年末の下り線よりも、年始のUターンの方が混雑は激しくなるわけである。
これは決して偶然ではなく、NEXCO各社による例年の発表を見ても、「Uターン時に渋滞回数が多くなる」という傾向がはっきりと読み取れる。
昨年度は10kmを超える渋滞が下り線で計62回発生し、ピークは12月29日の17回。対して上り線では計82回、そのうちピークの1月2日に37回もの渋滞が発生している。
交通量そのものは年末の下り線と大きく変わっていないのだけれども、行きよりも帰りの方が「昼過ぎにゆっくり出発し、どこにも寄らずに家に向かう」というように、行動パターンが似通いやすいのかもしれない。
そのため帰省にあたっては、出発する時間を早めたり、途中で降りて混雑時間帯を別の場所で過ごしたりと、「帰りを急ぐ動き」から外れる行動を取るとよさそうだ。
日本史上最悪の渋滞は…
ちなみに過去に国内で発生した高速道路の渋滞のなかで、最長記録は154kmにも及ぶ。1995年12月27日、ゲリラ豪雪による通行止めなどの影響で、先頭は名神高速の下り線、滋賀県は琵琶湖の東側に位置する秦荘PA(現:湖東三山PA)付近から、岐阜県をまたいで東名高速へと路線を移し、愛知県は豊川市の赤塚PA付近まで車両滞留が続いた。
154kmというのは実に「東京タワーから諏訪湖まで」の直線距離に相当する。大阪城から名古屋城までの直線距離が135kmというわけだが、この渋滞がどれだけ絶望的なものだったのか、想像しようにも規模が大きすぎてイメージできそうにない。
どれほどイレギュラーな事態があったとしても、さすがに今後、これほどの渋滞は発生しないと信じたいものである。しかし年末年始のように人出が増える期間はとくに、予想もしないトラブルが重なるものだ。長距離移動の際には十分な食料や防寒対策、非常用トイレなど、車内で長時間を過ごすための備えをしておきたい。