もともと東名上りの綾瀬SICが含まれる海老名JCT~横浜町田ICまでの区間は、渋滞損失時間(渋滞によって乗員が通常時よりもロスした時間)の全国ランキングで例年ワーストに位置づけられるスポットだ。全国屈指の交通量に対し、綾瀬SIC付近における車線減少などが災いし、長期連休のたび30km規模の渋滞が発生している。
なお先の関越道に続き、2022年の年始に発生した渋滞がここでも上位にランクインする結果となった。この他にも、2022年の渋滞は上位10位のうち4つを占めている。緊急事態宣言や蔓延防止措置が明けてからはじめて迎える年末年始とあり、全国的に大規模な交通混乱が生じたものと見られる。
2位は関東でも関西でもなく…
2位は2015年の1月3日、九州自動車道上り線の広川IC(福岡県)付近で発生した59.5kmの渋滞だ。広川ICの先には福岡空港や太宰府天満宮、さらには長崎道および大分道との分岐・合流がある鳥栖JCTが位置しており、年始においては初詣やUターンラッシュで交通量が激しく増大する。
またこの付近は速度低下が発生しやすいサグ部や、比較的大きな広川サービスエリアなど、混雑の要因を詰め込んだようなスポットであり、平時から慢性的な渋滞ポイントとなっている。九州を縦断できる高速道路が他にないことも、混雑に拍車をかけているだろう。
加えてこの日は、上り線の八幡IC(福岡県)付近をはじめ複数箇所での事故が重なり、凶悪なまでの交通混乱が生じた。ピーク時には熊本IC付近から太宰府IC付近まで、断続100kmほど渋滞が続くような格好である。
なお前日の1月2日も、九州道上り線では大規模な混雑が発生し、広川ICから55kmほど北に位置する古賀SA(福岡県)付近から44.8kmの渋滞が発生している。この渋滞は今回のランキングでも7位にランクインしており、この年始における九州道の混雑ぶりは全国的に見ても近年類を見ないほどのものだった。
1位は「迂回不可能」なあのルート
渋滞長1位となったのは、2022年の1月2日に神戸淡路鳴門自動車道の川井谷トンネル付近で発生した60kmの渋滞だ。その名の通り神戸から淡路島を通り四国の鳴門へと至る道路だが、渋滞が起きたのは本州側へと向かう上り線。
この自動車道は鳴門海峡と明石海峡という2つの海を越えるルートであり、有効な迂回手段がないことから、長期連休の際にはしばしば15kmほどの渋滞が発生する。
加えてこの日は、淡路島の西淡三原IC~洲本IC間で生じた玉突き事故や、その後に生じたトラックの故障により、ほとんど交通マヒのような事態に陥っていた。
SNS上でこの渋滞に巻き込まれた人の書き込みを見ると、「淡路島出るのに4時間以上かかった」といった報告や、PAのトイレ混雑やコンビニの品切れを嘆く声など、阿鼻叫喚が巻き起こっていたことが窺える。
なかなか淡路島を抜けることができず、「本州に会いたくて震える」など、憂き目を耐える人々のしたたかさが感じられる投稿も見られた。