自民党女性最年少支部長で、昨年の衆院選(10月27日投開票)に大阪11区から出馬した大辻沙耶氏(29)が、選挙区内の自民党市議全員から連名で政治家としての資質を厳しく批判する文書を提出されていたことが、「週刊文春」の取材でわかった。大辻氏について〈人間関係の構築に難〉〈虚言を厳に慎むこと〉などと指摘する文書を入手した。
アビーム、デロイトを経て、自民党の公募に
大辻氏は1995年3月、大阪生まれ。3歳からメキシコ、アメリカで暮らした帰国子女で、中学2年の時に日本へ戻り、東京外国語大学を卒業した。アビームコンサルティングに就職し、デロイトトーマツベンチャーサポートを経て、2021年頃から自民党の「女性候補者育成コース」に参加。2023年8月に自民党衆院大阪第11選挙区支部長(次期衆院選候補者)に党の公募を経て就任した。
「当時の茂木敏充幹事長が高く評価し、選挙応援にも駆けつけていた。女性では最年少の支部長で、地元では大きな注目を集めていました。ただ、衆院選で維新候補に惨敗。比例復活も叶いませんでした」(自民党大阪府連関係者)
〈長期にわたり音信不通となることもあり〉
ところが、その後、選挙区内の市議の間で大辻氏への不満が爆発していったという。昨年11月25日には、市議全員の連名で、「自由民主党大阪第11選挙区支部長の再任にあたっての改善要求」と題した文書を出している。
「週刊文春」は、この「改善要求」文書を入手。そこには、大辻氏に対する数々の強烈過ぎる言葉が並んでいた。例えば、候補者としての資質については〈長期にわたり音信不通となることもあり、そのコミュニケーション能力、とりわけ実質的な人間関係の構築に難がある〉などと批判。さらに、〈今後は批判を真摯に受け止め虚言を厳に慎むこと〉とも指摘されていた。
大辻氏に今年1月6日、「改善要求」文書などについて事実確認を求めたところ、即日、自身のSNSや公式HPなどを一斉に削除。期限までには回答はなかった。
しかし、文書にはさらに別の問題が記されていた。選挙期間中に物議を醸した候補者への交付金2000万円の使途、そして秘書給与の未払いまで――。
デロイトトーマツ出身の自民党女性最年少支部長(29)に地元市議団から強烈過ぎる「改善要求」文書 〈交付金2000万円、秘書給与未払い…〉
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