映画『ゆきてかへらぬ』が、2月21日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほかにて全国公開となります。本作は大正時代を舞台に、実在した男女3人の壮絶な愛と青春を描いた作品。脚本は『ツィゴイネルワイゼン』や『セーラー服と機関銃』の田中陽造が40年以上前に書いたもので、多くの監督たちが映画化を熱望しながら長い間実現することができなかった、いわば「知る人ぞ知る」幻の脚本。
「滅多にない優れたシナリオ」とこの脚本に焦がれ続けていた名匠・根岸吉太郎監督が16年ぶりにメガホンを取り、美しい時代を火花散らすように駆ける3人の男女を広瀬すず、木戸大聖、そして岡田将生が演じた、まさに日本映画の“夢の企画”。
解禁された場面写真では、本作の舞台となる大正~昭和初期を背景に、さまざまな衣装を華麗に着こなす広瀬すずの姿がお披露目。
特に、「文化の百花繚乱」と称される大正時代を象徴するような衣装は、優雅な和装からクラシカルで洗練された洋装まで、時代を超えた美しさを惜しみなく放っている。広瀬が本作で演じるのは、実在した女優・長谷川泰子。才能あふれるアーティストふたりに愛されながらも、自身の夢と向き合い続ける、まっさらで潔い女性を全力で体現した。まだ学生だった不世出の天才詩人・中也と出逢った京都、そしてのちに唯一無二の人間関係を織りなすことになる文芸評論家・小林と出逢った東京。
時代、場所、そして複雑な関係性の変遷とともに移り変わる、繊細なキャラクターの精神に寄り添ったスタイリングは、泰子の無邪気さと妖艶さを最大限に引き出し、広瀬は本作でまさに“七変化”ともいえる役の振り幅で新境地をみせた。
スタイリングを担ったのは、日本映画界を代表するトップ衣装デザイナーの大塚満とスタイリストの伊賀大介という超豪華な布陣!「大正時代の着物が大好き」と話す大塚は、「現代の着物において避けられる傾向にあるが、大柄の着物は大正時代の象徴です。広瀬さんにはとても似合っていて、大きな柄に負けないバランスの良さを感じます。どれも鮮やかに着こなしてくれました」と広瀬を絶賛。
さらに、「大正時代が世界的にも一番かっこよかった時代」と評する伊賀も、「本作ではヒロインの多面体の美しさを絵巻もののように見せられたら、と考えました。そのキャラクターが何を着てこの世界にやってきて、何を着て出ていくのか。いつもそこを大切にしています」と熱のこもった細部までのこだわりを語っている。
序盤のセーラーカラーの衣装で見せるどこか少女らしいあどけなさから、哀しみと覚悟が色づく終盤のブラックドレスまで。二人の衣装担当による共同作業によって生まれた美しい衣装の数々と、長谷川泰子を全力で生きる広瀬すずの圧倒的表現力が見事に融合した本作。
スクリーンいっぱいに広がる、鮮やかに彩られた広瀬すずの新境地をぜひ劇場で目撃していただきたい。
《ストーリー》
京都。まだ芽の出ない女優、長谷川泰子(広瀬すず)は、まだ学生だった中原中也(木戸大聖)と出逢った。20歳の泰子と17歳の中也。どこか虚勢を張るふたりは、互いに惹かれ、一緒に暮らしはじめる。価値観は違う。けれども、相手を尊重できる気っ風のよさが共通していた。
東京。泰子と中也が引っ越した家を、小林秀雄(岡田将生)がふいに訪れる。中也の詩人としての才能を誰よりも知る男。そして、中也も批評の達人である小林に一目置かれることを誇りに思っていた。男たちの仲睦まじい様子を目の当たりにして、泰子は複雑な気持ちになる。才気あふれるクリエイターたちにどこか置いてけぼりにされたようなさみしさ。
しかし、泰子と出逢ってしまった小林もまた彼女の魅力に気づく。本物を求める評論家は新進女優にも本物を見出した。そうして、複雑でシンプルな関係がはじまる。重ならないベクトル、刹那のすれ違い。ひとりの女が、ふたりの男に愛されること。それはアーティストたちの青春でもあった。
出演:広瀬すず、木戸大聖、岡田将生、田中俊介、トータス松本、瀧内公美、草刈民代、カトウシンスケ、藤間爽子、柄本佑
監督:根岸吉太郎 脚本:田中陽造
©︎2025「ゆきてかへらぬ」製作委員会 配給:キノフィルムズ
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