大切なことは「外的なアプローチ」と「パートナーの協力」

――痛みや恐怖を乗り越えるためには、どんなことが必要なのでしょうか。

 「性行為を諦めたくない」という気持ちと、「性行為が怖い」という身体のギャップが大きいので、その2つを融合させていくことが大切だと思います。そのためには、外的なアプローチが大切だったりします。例えば、ローションを使ったり、アダルトグッズを上手に活用したり。もちろん、医師に相談して注意事項や安全な方法を教えてもらうことはとても大切です。

 自分の体が変わってしまったことに女性は不安を覚えているので、パートナーの協力が不可欠だと思います。とても難易度の高いチャレンジだと思いますが、壁を乗り越えようと努力されている方は沢山いらっしゃいます。

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――がんを患った方が性に関して悩むケースがあることは、あまり知られていないと思います。

 年齢が若ければ若いほど、性に関する悩みは多いです。私の場合は、もう悩みを笑いに変えていこうと思っていますけど、20代から40代くらいの結婚・出産などのライフイベントが多い世代は、切実に悩んでいる方が沢山います。

 私自身は性の問題に特化した支援活動はしていないのですが、がんを患った方の性の悩み相談に乗ったり、具体的なアドバイスをされている方や団体はあるので、悩んでいる方はぜひ調べてみてほしいですね。

©石川啓次/文藝春秋
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