「金正恩委員長は、本音では『核放棄をせず、何らかの形で核保有を続けたい』と考えている」

前国連事務総長・潘基文氏 ©文藝春秋

 旧知の黒田勝弘・産経新聞ソウル駐在客員論説委員に対してこう語ったのは、2007年~2016年に国連事務総長を務めた潘基文氏(73)だ。潘氏は、盧武鉉政権で外務大臣を務めた経験もある“韓国随一の外交官”で、国際情勢に通じている。日本のメディアとしては初めて『文藝春秋』の単独インタビューに応じた。

 潘氏は北朝鮮の過去の振る舞いについて、次のように述べる。

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「1991年~1992年、私が副委員長として参加した南北核統制共同委員会での合意と『朝鮮半島非核化宣言』から1年も経たずして北朝鮮の『核の開発計画』が露呈しました」

 そして、2005年の六カ国協議で北朝鮮が「完全なる核兵器の放棄」に合意したにもかかわらず、翌年に核実験を行ったことに触れ、こう警鐘を鳴らす。

「今まで、北朝鮮はすべての約束を自ら白紙化しています。その事実を決して忘れてはなりません」

潘基文前総長を取材する黒田勝弘氏(左) ©文藝春秋

 潘氏は、北朝鮮が今年に入って対話姿勢に転じた理由や、これまでのアメリカとの駆け引きの裏に隠された真意などについても、独自の視点で解説した。

 日韓の間の歴史認識問題や国連事務総長時代の思い出、出馬を断念した昨年の韓国大統領選の秘話などについても語った潘氏へのインタビューは、「文藝春秋」7月号に10ページにわたって掲載される。

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