地味な印象だったが…
さて今回、私が「5人衆」の中で注目したのが松野博一官房長官だ。比較的地味な印象だったが、裏金疑惑(1000万円超)である。
松野氏が公式サイトでうたうのは「公募制度から生まれた日本で初めての衆議院議員」。2世議員でも官僚出身でもなく、地元後援会は自力でつくったという。このエピソードを紹介する東京新聞の記事では「金権政治のイメージがない松野氏の疑惑が出たことで、(政治とカネを巡る問題が)常態化してきた状況が浮き彫りとなった」という識者のコメントがある(12月9日)。
「常態化」とはつまり、長期の権力は腐敗すると同義である。裏金(不記載)問題は自分の懐に入れているルール違反も当然問われなければいけないが、問題はその裏金を何に使ったのかだ。
有権者の見えないところで自分の地位を上げるために使ったり、重要な何かを決める際に使われていたとしたら「選挙」や「民主主義」から最も対極の行為になってしまう。そんなことを、安倍派を始めとする自民党がやっていた可能性が高いから深刻なのである。
いけない、暗い話ばかりだ。最後に明るい話を書こう。自民党の各派閥は政治資金パーティーを当面自粛することになった。目を引いたのは「二階派のベテラン」の言葉である。
「やった。うれしい。最高だ。パーティー券を売るのはきついんだ」(朝日新聞デジタル12月6日)
ノルマから解放されるってこんなにうれしいんだ。おめでとー! パーティーやろうぜ。
