永田町の議員会館で多くの人が目撃した反町氏

 当の反町氏はつい先日までテレビで政治家やジャーナリストといちゃいちゃしていた。反町氏は出演者の本音を引き出す手腕もあった。たとえば自民党派閥の裏金問題で「キックバック」という言葉を私が最初に知ったのは田崎史郎氏(政治ジャーナリスト)が「プライムニュース」で喋っていたからだ。番組を見てよかったと思ったが、「田崎さん、知ってたならもっと前から言ってよ」とも思った。反町氏と気心知れた関係だったからこそペラペラ喋ったのであろう。

 反町氏は政治家や大御所ジャーナリストの前ではツッコんだり、とぼけたりして独特の芸風を発揮していた。一方で社内では日枝氏の威光をバックに出世していた。いわば無敵のおじさんだった。これに部下へのセクハラ・パワハラが加わる。被害者の女性2人は20年近くたってやっと事実を世にわかってもらえたことになる。

 注目の「プライムニュース」は4月2日に報告書の検証特集をしていた。タイトルは「日本の企業統治と経営の在り方は」。見どころは特集にいく前のその日のニュースだった。経済同友会代表幹事でサントリー会長・新浪剛史氏による「フジテレビへのCM再開を検討する段階」という発言をトップで報じていた。2番目は「民放連がフジテレビに厳重注意」。ニュースの順番が逆だろう。こういうところだ。

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番組Xより

 さて当の反町氏だが、日刊ゲンダイが最近の目撃談を載せていた。永田町の議員会館で多くの人が目撃したという。なんと4月1日のことだった。報告書が出て番組出演を取りやめた翌日だ。

 目撃者はこう述べる。「与野党問わず有力政治家の事務所を次々と訪問。どうも番組を継続したくて政治の力を使おうとしているようなんです」。本当にこの通りなら呆れる。やっぱりフジテレビのエライ人たちは今も何もわかっていないのでは?

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