「休日に今何をしているのか写メを送れ」と…
反町氏が官邸キャップを務めていた2006年ごろ、政治部記者だったmさんは何度か1対1の食事に行ったところ、休日に反町氏からドライブに誘われた。そのまま三崎のマグロを食べに行き、花火を見て、そのあと横浜でホラー映画を見て、バーに連れまわされることで1日拘束されたことがあった。読んでいるだけで悲惨である。この出来事の後、反町氏からの食事等の誘いを断るようになったところ、反町氏は、業務上必要となるメモを共有せず、「原稿が遅い」などと不当な叱責を部内一斉メールで送信。さらに電話で怒鳴られたり、威圧的な口調で話をされたという。まさに理不尽大王だ。
2人目のnさんも政治部記者だった07~08年、反町氏に1対1の食事を誘われた。あるときから「休日に今何をしているのか写メを送れ」という趣旨のメールを送られるようになった。断ったところ、mさん同様、原稿が遅いなどと不当な叱責を部内一斉メールで送信したり、電話での論旨不明な叱責をされたという。楽しくもなんともないフジテレビである。
フジ社員らのアンケート
上層部の対応も酷かった。mさんが反町氏の行為を「なかったことにしないで欲しい」と訴えると、当時の専務らに呼び出された。専務はmさんの発言を遮ったり、テーブルを小刻みに叩いて圧迫しながら、反町氏の謝罪意向を口外しないよう求めたという。要は口封じである。
報告書では反町事案についてフジ社員らのアンケートも載せている。「まさに企業風土」「人事権を40年握っている日枝氏の存在がある」という声のほか、以下もあった。
・反町氏の件については、「そんなことわざわざ言うなんて」「昔のこと持ち出すなんて」という人もいた。それを訴えた女性は、社内で特定されて、描いていた方針ではない対応をされている。
・今回もそうだが、限られた男性陣で事を納めようとする傾向がある。相談先の人が皆がセクハラをしているので、相談をしても甘い対応になるのでダメだと思っている。
・反町氏はハラスメント気質があるのに役員にまでなっている。なぜこんな人が偉くなるのかと疑問に思った。
アンケートの声がフジの体質を物語る。ハラスメント相手が出世していく会社なら、弱い立場の人は声を上げられない。上げたとしても届かない。