このほか、身近なものを画像で検索する「ビジュアルインテリジェンス」や、Google Pixelの消しゴムマジックに似た、写っている被写体の一部を消す「クリーンアップツール」も用意されています。目新しい機能ではありませんが、同じことがiPhoneでできずに悔しがっていた人にとっては朗報でしょう。

手近にあったリモコンを「ビジュアルインテリジェンス」で撮影します(左)「質問」「検索」の2択が表示されました。今回は「検索」をタップ(中央)ウェブで画像検索され、販売元であるECサイトがヒットしました。故障したリモコンの同型品を買いたい場合などには便利そうです(右)

恩恵をもっとも受けるのは音声アシスタント「Siri」

 そしてApple Intelligenceの恩恵をもっとも受けるのが、音声アシスタント「Siri」でしょう。これまでに比べてより深い内容を質問できるようになり、実用性が大幅に向上しています。さらにChatGPTを呼び出して利用することもできますので、曖昧な質問でもしっかりと(その正誤はともかくとして)何らかの回答が得られます。

 実のところ、このApple IntelligenceとSiriは表裏一体で、設定画面もひとつにまとめられているので、今回の試用中も、どこからどこまでがApple Intelligenceによるものなのか、あるいはSiriの機能強化なのか、判断に迷うこともしばしばでした。このあたり、Apple自身も明確な線引きをしていない印象を受けます。

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Apple Intelligenceの設定画面はSiriと一体化しています

 ちなみにこうしたApple Intelligenceの利用がiPhoneの上位モデルに限定されているのは、ローカルで動作させる必要があるためと考えられます。クラウドに依存しないためプライベートな内容であっても気兼ねなく使える一方、ローカルで完結させるとなると相応の処理能力が必要で、下位モデルや旧モデルには負荷が大きいのでしょう。