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安藤忠雄さんに「1万円は1000円みたいな感じですか?」

しまお 『アフター6ジャンクション』、1週間に1回の出番だったら、私、旅行行けるのかな? 行けるか。

 

宇多丸 全然いいでしょう。

しまお 水曜から月曜まで行けばいいんだね。

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宇多丸 別に今までもそうだろ。

しまお そうだね。

古川 なんなら休んでたりしてる。中国から電話で出たりとかもあったじゃん。

宇多丸 ああ、そうそう。あったね。

しまお 台湾とカナダかな。

古川 1年目にNHKの仕事でコルビュジエの建築見に行くって、安藤忠雄さんと行ってた。

宇多丸 そうそう。それすごくない? 安藤忠雄とコルビュジエの建築見に行くって。

しまお 今考えたらとんでもない。

宇多丸 海岸みたいなところ、風に吹かれながら歩いてて。

古川 そうそう。風がファーッて。

しまお でも、あれはほんといい仕事でした。楽しくて。

古川 タクシーの中で「安藤さんにとって1万円は1000円みたいな感じですか?」って言ったら「そんなことあらへんで」って言われたっていう。

しまお そう。「1万円は1万円やで」って。

古川 オレ、その話大好き。

宇多丸 あれはいい番組でしたね。オレ、コルビュジエのこと全然知らなかったから、へえ、って。

しまお 私も知らなかったけど。安藤さん、すごくいい人でしたね。

宇多丸 元ボクサー。

古川 安藤忠雄展は行きました?

しまお 行ってない。♪トゥットゥルットゥ、でしょ?

古川 そう。♪トゥットゥルットゥ……「(ナレーションで)元プロボクサーという異色の経歴を持つ──」。

宇多丸 そこからかよ、っていうね。

 

古川 安藤忠雄展に行ったら安藤さん自身が語る音声ガイドがあるんだけど、聞いたら金の話ばっかりしてるの。「予算が全然足らんくて。だから私は『こんな屋根とか要らへんのやないの?』って」とか。ほんとに金の話ばっかりしてるんだと思って、しまおさんの話を思い出した。

しまお おもしろい。今年はウラジオストックに友達と行きます。

宇多丸 なんでウラジオストックなの? 

しまお 一番近くてヨーロッパっぽい雰囲気を味わえるから。

宇多丸 ウラジオストックってヨーロッパっぽいか?

しまお ヨーロッパっぽくないか。でも3時間で行けるんですよ。

宇多丸 北海道から、わりとすぐみたいなとこだったよね。

しまお そうそう。

古川 そんな近いんだ。

しまお 新潟だと飛行機で2時間で行ける。

宇多丸 まあ、確かにね。ちょっと想像つかない。寒いよね。

しまお 夏行っても寒いか。

古川 子連れで行くの?

しまお いやいや、友達と2人で。

宇多丸 なにがあるの?

しまお いや、分からん。

宇多丸 すごい。

古川 すごい。

宇多丸 ヤング。

しまお ヤングですか?

宇多丸 ヤングですよ、そんな旅。

古川 子連れの人とは思えない動き方する。かっこいい。

しまお なんか、なんでも生かしたいんです。私もラジオの中枢にいるわけじゃないけど、でもやっぱり新しい番組が始まるとなると、いろいろ気持ちが前向きになるっていうか。ああしようこうしようって、私でさえ思うんだから、宇多丸さんなんて特にですよね。

宇多丸 そうですよ。でも、そう思ってるところにしまおさんにブレーキかけられて……。

古川 はははは。

しまお ねぇ……。『テレビブロス』の依頼も「同じようなこと書いてください」って言われて。いろんなところで文句言わなきゃいけない。私、すごいイヤなやつだなって。さっそく「しまおまほの憂鬱」っていうタイトルも決まってて。

古川 ははは!

しまお 「憂鬱はちょっと上から目線すぎるんじゃないですか?」って言ったけど。でも、結局そのタイトルになっちゃった。いやいや。でも、大丈夫。楽しみになってきました。

古川 よかった。

前編 ライムスター・宇多丸がある人に語った「オレの高田文夫になってくれ」
http://bunshun.jp/articles/-/7828

写真=末永裕樹/文藝春秋