間違いなく異常事態
「斎藤氏は4月9日の会見で『調査対象については所管課(法務文書課)が整理した』と述べていましたが、調査実施要綱には〈第1回の会議は、県知事が招集する〉と明記されている。つまり、斎藤氏が第三者委員会の会議を主導していた形です。担当部署の職員は『無茶苦茶な調査をやらされている』と悲鳴を上げていました」
告発者潰しをしたり、自分のおこないをメディアに情報提供した人間を調べるために公金を投入したり、異常としか言いようがない事態が兵庫県で起きている。県職員は本当に恐怖の毎日ではないか。
4月17日、日本経済新聞は社説で『兵庫県は告発者の処分撤回を』と書いた。
第三者委が通報者を懲戒処分にしたのは「違法で無効」と報告してからまもなく1カ月になる。第三者委に委ねる意義は、時間のかかる司法判断によらずとも、自治体が自浄能力を発揮して県民の信頼を取り戻し、県政を前に進めることにある。それを考えれば、報告から1カ月近くも放置しておくのは解せない。(日本経済新聞社説より一部引用)
県はすみやかに懲戒処分を撤回すべきだと指摘する。さらに「知事としての資質を疑わざるをえない」「県議会が再び知事の不信任を決議し、辞職か議会の解散かの選択を迫るべき」と言及している。
兵庫県知事についての社説は当然だが日経以外にもあり、ちょっと挙げただけでも以下のようになる。
『兵庫第三者委 知事の資質欠如は明らかだ』(読売新聞)
『斎藤兵庫知事 組織の長として失格だ』(朝日新聞)
『「違法」認めぬ兵庫知事 トップの任に値するのか』(毎日新聞)
『兵庫県知事 「違法」の責任を直視せよ』(産経新聞)
『斎藤兵庫県知事 自ら進退決するべきだ』(東京新聞)
さらに今回の件についても『取材源の調査 知る権利脅かす暴挙だ』(東京新聞)と果てしない。第三者委の報告から1カ月経っても変わらず、さらに新たな暴挙が明るみに出る。間違いなく異常事態だ。それは次々に更新されている。
◆◆◆
文春オンラインで好評連載のプチ鹿島さんの政治コラムが一冊の本になりました。タイトルは『お笑い公文書2025 裏ガネ地獄変 プチ鹿島政治コラム集2』。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。次のページでぜひご覧ください。
次のページ 写真ページはこちら

