斎藤元彦・兵庫県知事(47)の疑惑を調査する「文書問題調査特別委員会(百条委員会)」の奥谷謙一委員長(39)が、「週刊文春」の単独インタビューに応じた。

奥谷の言葉には熱がこもっていた ©︎時事通信社

異常とも言える事態が立て続けに

 奥谷氏は2015年の兵庫県議選で初当選し、現在3期目。弁護士資格も持っている。2024年6月に設置された百条委員会の委員長に就任した。

 この問題を巡っては、斎藤氏の疑惑を訴える告発文書を作成した元西播磨県民局長が2024年7月7日に「死をもって抗議する」とのメッセージを遺し、自ら命を絶った。さらに、知事選中に「斎藤氏の失職の黒幕」などと誹謗中傷を受けていた竹内英明・前兵庫県議(享年50)も、今年1月18日に自死。異常とも言える事態が立て続けに起きている。

ADVERTISEMENT

「冷血の知事」はどう対応するのか ©︎時事通信社

 その後、百条委員会は3月4日、斎藤氏の疑惑について「パワハラは概ね事実」「告発文書の作成者の特定は違法の恐れ」などとする調査報告書を公表した。一方、斎藤氏は「議会から一つの見解が示された」としたうえで、告発文書は「誹謗中傷性が高い」と強調するなど、従来からの見解を変えていない。

「できる限りのことに取り組んできたつもりです」

 果たして、百条委員会を舵取りし、最終報告書を取りまとめた奥谷氏は今、何を思うのか。「週刊文春」の取材に70分にわたって応じた。

「51年ぶりの百条委には慣れない点もあり、本当に大変でした。様々な評価は真摯に受け止めたいですが、できる限りのことに取り組んできたつもりです。知事選で誹謗中傷を浴び、その結果、竹内(英明)さんが亡くなったことには……悲しみも怒りもある。そのうえで、きちんと結論を出せたことについては良かったと思っています」

百条委で質問を行う生前の竹内 ©︎時事通信社

 そして、こう続けた。

「周りの人からは『お前、今はメディアとか出んほうがええんちゃう?』と言われ、取材は断ってきました。ただ、文春さんは、これだけ長期にわたって取材されていたので……今回お受けすることにしました」

 現在配信中の「週刊文春 電子版」では、短期連載「冷血の知事」特別編として、奥谷氏への単独インタビューを掲載。かつて“斎藤派”だった奥谷氏が疑惑の調査に力を注いだ理由、自死した竹内氏とのやり取りや彼に対する想い、県民の分断を招いた斎藤氏に伝えたいことなどについて語っている。

 また、「週刊文春 電子版」では、PR会社「メルチュ」の折田楓社長の近影や、4億円パレード補助金疑惑「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首とSNS選挙の内幕など、斎藤氏を巡る真実に迫った短期連載「冷血の知事」全5回を配信している。

文藝春秋が提供する有料記事は「Yahoo!ニュース」「週刊文春デジタル」「LINE NEWS」でお読みいただけます。

※アカウントの登録や購入についてのご質問は、各サイトのお問い合わせ窓口にご連絡ください。

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。