次シーズンに備え、メジャー最終戦の翌朝にトミー・ジョン手術を受けた

――メジャー1年目の最終戦は2018年9月30日でした。トミー・ジョン手術を受けたのはその翌日の10月1日。あの手術は早朝、行われるはずですが、となると本当に一刻も早くやりたかったんですね。

「それはもう、早ければ早い方がいいでしょう。手術の日、家を出たのは、朝5時だったかな。シーズンが終わったら、その瞬間からもう次のシーズンに入っているわけで、早いに越したことはない。それは僕もそうだし、球団も含めてみんなの一致した意見だったので、ドクターが下さった候補日の中でもっとも早いタイミングでやろうということになりました」

――手術の前に、傷のない、きれいな右ヒジとはちゃんとお別れしたんですか。

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「お別れですか? いや、どっちかというとお別れしたのはコイツ(右手首の内側の腱)でしたね」

©文藝春秋

――えっ、右ヒジじゃなくて、右手首?

「こうやって(撫でるように)触りながら、『じゃあな』って。この腱って、こうやると(手首を内側に曲げると)浮き出てくるじゃないですか。目に見えるのは手首の腱のほうで、取るのはコイツですし、右ヒジはコイツが引っ越してくるだけなので……」

――移植した腱は左手首じゃなくて、利き手の右手首から取ったんですか?

「右の腱のほうが太くて、左は弱かったんです。ハムストリングから取るという選択肢もあったんですけど、手首の腱のほうがいいらしくて、じゃあ、右の手首から取りましょうと……」

――どのくらいで目が覚めたんですか。

「全身麻酔でぐっすり眠っていたんで、どのくらいだったかわからないんですけど、けっこう早く目は覚めたらしいです」

――終わって、ドクターからはどんな言葉をかけられたんですか。

「力が入るかと訊かれて、神経が傷ついていないかどうかを確かめました。大丈夫そうだね、と言われて、そのあと、『自分のできることは全部やったよ、大成功だった』と……MRIでは本当の状態がわからない、開けてみないとわからないことも多い手術なので、そこはホッとしました」

〈つづく〉

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