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2018/06/25

genre : ニュース, 社会

何でもござれの「遅延のデパート」路線は……

 10分以下の軽微な遅れランキングを見てみると、30分超の遅延ランキングとは一転、運行距離はそれほど長くなくても混雑が激しい路線が入ってきた。

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 常磐線各駅停車や東横線は、平日の2日に1日は10分程度の遅延が発生しているということになる。

 ワースト5入りはかろうじて免れたものの6位に入った中央快速線・中央本線(8.3日)は、トータルでもワースト3だから軽微な遅れからそこそこの遅れ、そして人身事故などによる長時間の遅れまで何でもござれの遅延のデパートのような路線なのだ。この中央快速線、JRの複線区間で1時間あたり最大で30本も運転しているという日本有数の過密路線でもある。さらに、通勤時間帯は通常よりも所要時間を5~6分ほど多く見積もったダイヤ設定になっている。にもかかわらず、遅れが常態化しているのだ。利用者のストレスたるや…と思いきや、意外ともう慣れっこなのかもしれない。

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 ちなみに、5分~10分程度の遅れなんて本数が多ければ影響は少ないと思う人もいるだろう。だが、その遅れは1時間単位で見れば運転本数が2~4本ほど少なくなるということ。1列車に2500人乗車すると考えると、5000人から最大で1万人の利用者が乗れなくなってしまうのだ。そうなれば混雑はさらに激しくなり、ますます遅れが拡大、その影響をラッシュアワーが終わった日中まで引きずるなんてことにもなりかねない。軽微な遅れも侮ってはいけないのである。

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全体的に遅延が「低水準」の路線は?

 と、おおまかではあるけれど首都圏の“遅延路線”ランキング、いかがだろうか。ちなみに、運転本数は首都圏最大の毎時40本という東武伊勢崎線(スカイツリーライン)の遅延日数はわずか5.3日、10分以下に限れば2.7日と全体で見ても低水準。混雑こそ激しい路線だが、それでも遅れは最小限にとどめている。これは、北千住~北越谷間が複々線化されており、無理なく運転本数を増やすことができているからだ。今年の春からは小田急線でも代々木上原~登戸間の複々線化が完了。2016年度の遅延日数は17.9日とかなり多いが、現在はかなり改善されていると思われる。

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ダイヤを乱す最大の理由

 いずれにしても、ダイヤの乱れは毎日通勤通学で利用している人にとっては大きなストレス、悩みの種である。鉄道会社もホームドアの設置やホームの拡幅、余裕を持ったダイヤ設定などの対策を進めてきた。ただ、その最大の原因は前述の通り「乗車時間の超過やドアの再開閉」。ひとりひとりの利用者が、マナーを守って助け合いつつ速やかに乗り降りすることが、遅延を防ぐ最も効果的な対策なのかもしれない。

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