若き指揮官に対する選手たちの思いは
同じ松坂世代でありながら現役で活躍している楽天イーグルスの選手は若き指揮官に対してどんな思いだろうか。
楽天イーグルスで選手としても共にプレーした渡辺直人選手は「現役の時から長く一緒にやっている同級生でもありますし、野球に対して真摯に取り組む姿勢は監督になられても変わらないですね」と話して、こう続けた。
「僕はマイナーな高校出身ですけど、平石は松坂世代の中心で戦っていた人で、何より人として尊敬しています」
同級生の熱い絆は、これから楽天イーグルスを更に強くしてくれるに違いない。
楽天イーグルスのキャプテン嶋基宏選手は、平石監督代行の事をこう語る。
「自分が入団した時からアニキみたいな存在です。野球について色々な話をさせてもらったり、平石さんが2軍監督になられて、なかなか会えない時も電話をしていました。チームでは監督代行ですけど、僕にとってはアニキです（笑）」
チームを引っ張るキャプテンとして、アニキから学ぶ事も多いのだろう。
この事を平石監督代行に伝えると、「そう言ってもらえて有難いですよ。監督だからと言って僕は壁を作ろうと思っていないので。ちょっとでも身近に感じてもらえたら嬉しいです」選手の想いや感じる事を尊重している、とも語ってくれた。
河内「監督代行として選手に伝えていきたい事は何ですか？」
平石監督代行「野球をやっている人間がギラギラして前を向いて楽しくやらないと、観ている方は絶対面白くないと思うので、みんなでその意識を持って変わっていこうという話は最初にしました」
河内「こういう監督でありたいというのはありますか？」
平石監督代行「ブレない」
1秒もかからずの即答だった。そして「自分がこうだと思ったことはブレずにやっていきたいです」と続けた球団史上最年少・若き指揮官の目は、本当にギラギラしていた。
すでに第100回全国高等学校野球選手権大会の夏は始まっている。平石監督代行は高校球児にこうエールを送ってくれた。
「当然、試合で戦う以上は勝ちたいという気持ちが物凄く大事です。ただ、勝ち負けという結果以上に色んな事があると思います。高校で今まで一緒にやってきたチームメイトや指導者との出会い、他校の選手との出会いは、今後必ず活きてきます。僕は野球の結果以上に色んな人との出会いに恵まれ今がある。この『出会い』というのは一生大切にして欲しいと思います」
言うのもおこがましいのだが、実は自分も松坂世代である。高校時代、途中で野球部を辞めてしまった事は未だに情けない。しかし、そんな自分が今、「89（やきゅう）」の仕事に関われている事が夢のようだ。同じ歳の英雄・松坂世代の平石監督代行は、あの夏の想いを胸に、楽天イーグルスの夏も熱く沸かせてくれると信じている。自分も89.1MHzの電波にのせて熱く野球実況を届けたいと思う。
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