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山川にとって森はどういう存在なのか

 一方で、山川選手はまた少し違った考え方でこの時間を過ごしている。「僕は、本当に別でやってもいいと思っています。決して強制する立場じゃないので、森がこの調整が一番いいと思うならやればいいし、『俺は違うアップ法がいい』と思うなら自分がいいと思うことをやればいい。僕は一人でもこれをやる。ただ、今、一緒にやってることはいいことだと思っています」。

 もちろん、その中で得るものも多いという。理論派ゆえ、「考えて考えて、頭でっかちになって、ごちゃごちゃになってしまうことが僕は多い。でも、感覚派の森はプロに入ってからずっと同じような数字を残し続けています。『これだけやっていれば大丈夫』というものを身体が覚えているんだと思う。そういうのを見て、よりシンプルに戻ることができる」。

感覚派の森と理論派の山川

 5年前から常にそばにいて、励まし合い、影響を与え合い、切磋琢磨してきた。それぞれに自分の中での相手の存在について尋ねてみた。

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「友達」と答えたのは、4つ下の森選手だった。「もちろん、先輩やし、尊敬もしていますが、ホンマに何でも相談できるすごい人」。最も身近であり、信頼を置く存在だという。

 山川選手の答えは、また違う。「僕より上の、ライバルだと思っています」ときっぱり断言した。「年俸もそうですし、出てる試合数も違います。僕の方が後から(一軍の試合に)出てる人なので、僕自身が『森を超えたな』と思う時が来ないと、いつまでたっても僕が下だと思っています。だから、まずは超えないといけない。つまり、ライバルですよね。もしかしたら、一番のライバルかもしれないです。もちろん、ポジションが違うので、あいつが打っても『打つなよ』とは全然思いません。そんなレベルではなく、もっともっと高い次元でのライバル。森が3安打打ったら、僕も3安打打ちたい。ホームラン打ったら僕も打ちたい、と自然となります」。

 現在、12球団トップの26本塁打を放つ山川選手と、“打てる正捕手”定着目前の森選手。西武だけでなく、日本球界が誇る2人の強打者は、互いへのリスペクトを抱きながら、これからもともに高め合っていくことだろう。

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