彼女の努力を知った読者からは、「すごくステキ」「服装もオシャレ!」といった称賛の声も。幼少期から30代まで、「鼻の大きな」自分の見た目に自信を持てなかった、インフルエンサーの櫻田こずえさん(50)。
彼女はなぜ変われたのか? 「お前ブスだろ!」という心の声との葛藤、婚約破棄など彼女が美人になるまでの『戦いの記録』をお届けする。
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「小学校3年生のとき、クラスの男子に顔を覗き込まれて、『ブース、ブース、ブース』って、10回くらい言われたんです。あれが"ブス人生"のスタート地点でした」と語るのは、櫻田こずえさん。長年「ブス」というレッテルを自分に貼り、そこから抜け出すまでの道のりを語ってくれた。
「ギトギトの大きな鼻」が私のブスの原因だった
櫻田さんが最初に「自分はブスなんだ」と自覚したのは小学校3年生のころ。クラスの男子からの一言がきっかけだった。「ほかの男の子からの扱いも違うと感じてました。具体的には私、鼻がすごくコンプレックスで。男の子から『ぞうさん』の替え歌を歌われたり。『おー鼻がデカいのね、そうよ、かあさんもデカいのよ』って」と振り返る。
思春期に入ると、皮脂で毛穴も目立つようになり、「ギトギトの大きな鼻」がブスの原因だと思い込むようになった。「思春期には毛穴パックも100回くらいやりましたし、20代前半の頃は、電車で人がクスクス笑っていると、自分の鼻の毛穴が汚いから笑われていると思って、恥ずかしくて電車を降りてしまうこともありました」。
そんな強烈なコンプレックスを抱えながらも、櫻田さんは「ブスコンプレックスで悩むのはつらすぎるので、そんなことで悩んでませんって感じで、開き直っていました」と当時を振り返る。テレビで女芸人がブスをネタに笑いを取っているのを見て、自分もブスを受け入れて面白さで戦おうと決意したという。
「明るくて、面白い、そして『モテる』ブスを目指しました。『美人』という評価軸とは無関係に生きて行こう。でも、それはみじめだから、どうにかモテよう。ブスでもモテる人はいる。モテるという事実さえあれば、このみじめさはどうにか誤魔化せると思って、まあ必死でしたね」
料理の腕を磨いたのも「ブスだから『料理で男の胃袋をつかむしかない』と努力したから」だという。明るく楽しいキャラクターを研究し、外見ではなく性格で勝負しようとした。また、勉強や運動で認められようとも頑張った。
「外見以外の部分で表面的には満たされていたので、『本当はお姫様になりたい』という自分の願望には気づこうともしませんでした。むしろ、『あんなフリフリした服着て、媚び売って、女ってイヤよね』と、本音とは逆のサバサバとした女性を演じる自分に、酔っていたかもしれません」
転機が訪れたのは30代半ば。婚約破棄を経験した後、時間ができたことをきっかけにブログを始めた。最初は「鼻の毛穴を撲滅したい」という一心で、毎日のように鼻の毛穴の接写写真をアップし、レーザー治療やエステ、サプリメントなど、30万円以上かけて試してみた。「確かに、接近して見たら毛穴の凸凹は見えるけど、『誰もそんな近づいてあなたの毛穴なんて見ないわよ』って言った人がいて。私もそうだなって思って、毛穴への固執が消えていきました」
「もう少し顔がよかったらな」
さらに決定的だったのは、30代の頃の恋愛経験だ。壮絶な片思いの末についに付き合えた彼から「もう少し顔がよかったらな」と言われたことが、彼女の中で何かを変えた。
「当時お付き合いしていたその彼は、テレビのお天気キャスターのような女性が好みだったんですが、私はショートカットでボーイッシュな感じだったんです。彼の理想の通り自分になるために、髪を伸ばしたり、テレビのお天気キャスターっぽい服を着たりしたんですけど、全然似合っていなくて」
この失恋をきっかけに、櫻田さんは自分の戦略が歪んでいること、そして本当は「かわいくなりたい」「キレイになりたい」という気持ちがあることに気づいた。そして2012年、『アラフォーですが今さら美人になれますか』という新ブログを始めた。
最初はファッションやヘアメイクで美人になろうと努力したが、数年間は全く変化がなかった。しかし、自己否定が強く、自己肯定感の低い内面と向き合うようになってから、「ブスをやめる」ことがまず必要だと気づいた。
「ブスをやめるって、自分を客観的に見ることなんですよ。『ブス眼鏡を外す』って感覚です」と櫻田さん。「ブス眼鏡」とは、自分のコンプレックスを拡大して見てしまう心の眼鏡のことだ。「ブス眼鏡を掛けているかぎり、人はブスをやめられない。なぜならば自分の欠点に固執しちゃうから」
なぜ「ブス眼鏡」を外せたか
「ブス眼鏡」を外すために櫻田さんが実践したのは「自撮り」だった。自分の写真を毎日撮ってブログにアップし続けることで、客観的に自分を見る目を養った。最初は顔にモザイクをかけていたが、7年かけて素顔を出せるようになった。
「やっていくうちに『毛穴なんて美人かどうかと関係なくない?』って思えるようになりました。そして、顔の美醜だけじゃない、姿勢がいいとか、ファッションや髪型、笑顔が素敵とか。そういう"総合得点"で、人って美人に見えるんだって気づいて」
肌、髪型、姿勢、笑顔、服装、そして自己肯定感――美人とは、これらすべての総合点で決まるものであり、毛穴や顔のパーツばかりに固執していては永遠に美人になれないのだと、櫻田さんは気づいたのだ。
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