乳がん"浸潤性小葉がん"のステージ3であることを公表した梅宮アンナさん(52)。現在は母のクラウディアさん(81)と、ときどき米国から帰国する娘の百々果さん(23)と生活をともにしながら、治療と仕事を両立させている。病院選びから標準治療を選んだ理由まで、梅宮さんの闘病体験を紹介する。
「治療を山登りに例えると、途中で天候が変わり、その度に選択が必要」と医師が説明
梅宮さんは、がんと告知された後の病院選びについて「人間ドックも風邪の診療も、パパの長年のがん治療も国立センターだったので、迷わず国立がんセンターを選んだ」と語る。
担当医との最初の出会いで、梅宮さんは「治療しなかったら私は死ぬんですか」と質問。医師は「死ぬかどうかは神様しかわからない。この病気に何が大事かって、やっぱり治そうという気持ちなんですよ」と回答した。梅宮さんはこの率直な答えに「変に『死にませんよ、大丈夫です。必ず治ります』と無責任なことを言われるよりよっぽど説得力があった」と感じたという。
医師はさらに「治療を山登りに例えると、このルートで行こうと決めても途中で雨が降ったり、天候が急に変わったりして、避難しなきゃいけない時があって。このまま上に行くのか、ルートを変えるのか、下山するのか。その度に選択しなければいけない」と説明。治療法も途中で変わる可能性があることを丁寧に伝えた。
標準治療を選んだ理由について梅宮さんは「あの日、あの時『ステージ3Aです』と言われて、『それなら標準治療だよね』という選択をしただけ」と語る。「『う~ん、どうやって治そう』と悶々としたり、熟考することなんてなく、反射的に『標準治療だよね』。それ以外のなにかを選ぼうとは考えもしなかった」という。
病状公表後、様々な声が寄せられたなかで、梅宮さんは標準治療に対する反響の大きさに驚いた。「アンナちゃんは、どうして標準治療を選んだの?」「アンナちゃんが、標準治療について話してくれてうれしい」といった声が多く、がんセンターの医師や看護師からも感謝されたという。
一方で「怒ってばかりだから、がんになった」「がんになったのは、日本食以外も食べているから」など様々な憶測も寄せられた。また、自由診療の提案も多く、「1クール400万円なんだけど、タダにするから。アンナちゃんを助けたいんだよね」という誘いもあったという。
梅宮さんは「食事も治療法も、すべてにおいて『違うな』『いいな』のどちらかで選べばいい。自分で決めることだから、それを誰かに勧めたり、ダメ出しすべきじゃない」と考えている。そして「がん患者が100人いたら、100人なにもかもバラバラ」と個々の違いを強調し、「自分にしっくり来る方法を自分で見つけて、それを信じて突き進むしかない」と締めくくった。

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