出会った当初、反町隆史は稲森いずみと交際していたが…
仕事の上でも恋愛の面でも最大の転機になったのが、大ヒットドラマ『GTO』への出演だ。作品の中で恋仲になる主演の反町隆史と交際をスタートし、同い年の2人はともに27歳の時に入籍し、ふたり揃って報告記者会見も開いた。
じつは反町は『GTO』出演時は稲森いずみとの交際が報道されており、稲森の実家に遊びに行くほど深い関係だったという。ところがドラマで共演した松嶋に完全ひと目惚れして猛烈アタックを開始した。しかし松嶋は稲森との関係を知っていたため答えを保留し、反町が1年かけて稲森と別れた後に再度アプローチしたのを受け入れたという経緯がある。
芸能界における成功ぶりや美麗なビジュアルに目を奪われがちだが、この筋を通す律儀さは一貫している。
会見で松嶋は反町との結婚を決意した理由をこう答えている。
「うそをつかない……つけないではなくて(笑)、うそのない、本当にすべてにまっすぐなところです。(プロポーズの言葉は)覚えていますが、それは内緒にします。(将来を共にしてもいいと決めたのは)付き合い始めて、すぐです」
16歳で自分に声をかけてくれたスカウトマンや、事務所でついてくれたマネージャーなど、松嶋は相手のキャリアや年齢、性別を問わず素直にアドバイスに従う感性の持ち主だった。反町を選んだ感性が間違っていなかったことを証明するかのように、夫婦揃って不倫などのスキャンダルもいっさいなく、芸能界きってのおしどり夫婦と呼ばれている。
結婚後も仕事は順調で、28歳でNHK大河ドラマ『利家とまつ~加賀百万石物語』(02年)に唐沢寿明とW主演し、この時は織田信長役だった反町と夫婦初共演も果たしている。2000年の『やまとなでしこで』最高視聴率34.2%を記録し、「高視聴率女優」の名をほしいままにした。
30歳で長女、34歳で次女を出産するがどちらもわずかな産休期間ですぐに仕事復帰し、38歳での本格復帰作『家政婦のミタ』(11年)はGTOと同じ脚本家・遊川和彦とのコンビで日本テレビのドラマ史上初の視聴率40%(最終回)を獲得。ブランクどころか軽々とキャリアハイを更新し続けている。

