「もっと物議を醸して、もっと賛否両論を巻き起こしてやろうと思います」
日本で犯罪が減らない理由は、インフルエンサーと呼ばれる発信力・影響力のある人たちが啓蒙活動をしていないから、というのがフナイム氏の見解だ。警察がタレントを招いて、一日署長になってもらったとしても、届く層は限られており、本質的な成果にはつながっていないという。
世直し活動において、最も大事なのは「信念」だとしつつ、数字も絶対に必要だと同氏は続ける。そのうえで、賛否が起こっているという点では、現在の私人逮捕系ユーチューバーとしての活動は、目的に対して最適だと考えている。
「賛否両論が起こるって素晴らしいことだと思うんですよ。だって、興味を持ってもらえているってことじゃないですか。賛否がなければ世のなかは変わらない。最悪なのは、興味を持たれないことで。社会に一石を投じるというか、賛否を起こすことは、影響力があるってことだと思っています。ということは、もっと物議を醸して、もっと賛否両論を巻き起こしてやろうと思いますね」
彼らを批判する声に、「なぜYouTubeに上げるのか」などの意見があるが、フナイム氏からすると、こういった議論が巻き起こる時点で狙い通りであるのだ。
特殊詐欺G時代の最大月収は2000万円 現在は?
収益が目的でYouTube活動はしていない、とフナイム氏は話したが、収入源はどうなっているのか。尋ねると、週4~5日、清掃と解体の仕事をしているという。そのほか、メディア出演などのギャラがあるが、収入は月13万~14万円くらい。家賃や生活費でほとんど消えてしまい、ときにカードキャッシングを考えるほど逼ひつぱく迫しているのだそう。
特殊詐欺のリーダーをしていたときは、最高で月2000万円稼いだときもあったといい、生活レベルは大違いだが、今のほうがはるかに充実していると話す。
「『いつでも頼ってね』『生活費は大丈夫?』『10万円振り込みますので口座を教えてください』と言ってくれるフォロワーさんがたくさんいます。でも、お金が目的じゃないから、『自分で何とかします』って辞退しています(※筆者は実際にそのDMのやり取りを見せてもらった)。
僕は喋りが得意だから、営業職に就くなどすれば月100万円や200万円は稼げると思う。稼ぎたかったらそっちをして、ベンツ乗ってタワマンに住んでます。でも、貧乏をしても、誰かに過去の自分みたいな経験をしてほしくないし、被害者も出てほしくないから、今の生活を選んでいます」
