“スーパーゼネコン”の一角・大成建設が8月12日、海洋土木大手の東洋建設に対するTOBを開始した。買収総額は約1600億円で、建設会社同士のM&Aとしては過去最大級となる。
両社の売上高(2025年3月期)を合算すると2兆3268億円。業界2位の大林組(約2兆6201億円)に肉薄する。
買収の陰の仕掛人は、任天堂創業家の資産運用会社「ヤマウチ・ナンバーテン・ファミリー・オフィス(YFO)」だ。YFOは任天堂中興の祖といわれる山内溥氏の孫(戸籍上は次男)の山内万丈氏が代表を務め、東洋建設の株の約3割を保有する筆頭株主だった。
「東洋建設はインフロニア・ホールディングスなど複数のゼネコンから買収提案を受けていた。吉田真也会長ら経営陣は、YFOの意向も汲んで、最終的に大成建設の傘下入りを決めたようです」(メガバンク幹部)
大成建設の今年3月期 (単体)の当期純利益は前年比318.4%増と絶好調だ。相川善郎社長が推進してきた買収戦略が収益を底上げしている恰好だ。
「23年に買収したピーエス・コンストラクション(旧ピーエス三菱)は土木事業での利益率が向上。昨年6月には平和不動産を持ち分法適用会社化し、営業外損益が上振れした」(同前)
グループが拡大していく一方、大成建設では近年、様々な問題が発生している。
〈この続きでは違約金、内紛、インサイダー取引など勃発している様々な問題を報じている〉
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