阪元監督は、この日観直した本作に、「あらためてすごい映画やな」と感じたと語った。

「今までの自分の映画としては『黄龍の村』が近いのかな。今回は途中でジャンルがスポ根物に変化するじゃないですか。スポ根ものを撮る上では役者の身体的な変化が重要になりますが、本作は撮影期間が約1週間と非常にタイトでした。その中で、(松本さんは)ドロップキックやバックドロップといった技を何度も練習し、成功するかしないかという緊迫感を映像に収めることができた」

阪元裕吾監督©OAFF EXPO2025-OAFF2026

次は俺の番だと思っていたら声がかかって

 一方、本作で物語の鍵を握る卓也の父・陸斗を演じた藤澤アニキさんは、もともと阪元監督作品の大ファンで、以前から親交のあったアクション監督の垣内さんが先に阪元組の作品に参加したと聞き、「次は俺の番だって思ってたら声がかかって」と、念願のオファーだったことを明かした。

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©「フレイムユニオン 最強殺し屋伝説国岡[私闘編]」製作委員会

 現場の雰囲気について尋ねられると、「皆さんアラサーで、僕53なんですよ。で、大体いじってくるんですよ、みんな」と、和やかながらも愛のあるいじりを受けていたことを披露した。

 アクションシーンについて藤澤さんは、「アクションに関してはやっぱり若い方の方が動くんで、ちょっと、いぶし銀な技術で攻めようかなと思って」。特にこだわったのは、刀のアクション。銃を持つ相手と戦うシーンで、時代劇の様式美である刀の「切り返し」をあえて使わないというアイデアを監督に提案したという。