大阪万博に合わせ、3月に続き今年2回目の開催となった大阪アジアン映画祭が、8月29日に開幕した。初日の夜には『ベイビーわるきゅーれ』シリーズなどで人気の阪元裕吾監督の最新作、『フレイムユニオン 最強殺し屋伝説国岡[私闘編]』が世界初上映された。熱気に満ちた上映後の会場にキャストとスタッフが登壇し、トークイベントが行われた。
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「お前がそんなに言うんだったら」
『フレイムユニオン』は殺し屋・国岡昌幸を追ったモキュメンタリー(フェイク・ドキュメンタリー)・スタイルの人気シリーズの最新作。この日登壇したのは、阪元監督、国岡役の伊能昌幸さんのほか、今作の主人公といえる真中卓也を演じた松本卓也さん、卓也の父にして元祖・京都殺し屋ランキング1位の真中陸斗役・藤澤アニキさん、殺し屋ドロップキックマン役の相澤隼人さん、アクション監督の垣内博貴さん。
前作から約3年を経て完成した本作の製作のきっかけは、『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』の宮崎ロケを間近に控えていた頃だった。松本さんが語る。
「きっかけは(阪元、伊能と)3人で名古屋で呑んでいた時なんです」
松本さんが「国岡の新作撮ろうよ」と熱心に提案。
「2人はこう、まあそんな焦ることか、みたいな感じだったんですけど、僕が『撮りたい撮りたい』って言って」(松本さん)
隣で聞いていた伊能さんは、
「珍しく真面目な話するなと思って。僕らの飲み会で真面目な空気ってまずなくて、しょうもない話が多いんですけど」
と、少し戸惑いながらも松本さんの熱意に押される形で、「じゃあお前がそんなに言うんだったらやろうよっていうことで」と、新作のプロジェクトは動き出したという。



