人妻がマチアプ不倫にハマる背景には…
——作品づくりの過程では、どんなものを参考にしていますか?
平井 浅田先生とは居酒屋でよく打ち合わせをするのですが、そこでは身近な“変わった人”の話をよくします。パチンコで負けてキレ散らかす人とか、スマホで動画を撮りながら無茶苦茶な因縁をつけてくる人とか。
あと、今はサービス終了してしまいましたが、婚活マッチングの「Yahoo!パートナー」もよくチェックしていました。
——『仏滅結婚』を通じて、平井さんが婚活や恋愛について学んだことはありますか?
平井 高級官僚の妻でマッチングアプリにハマっている聖さんというキャラクターがいるのですが、第17話で「女だってセックスしたいの」ということを涙ながらに訴えます。このセリフは個人的に衝撃でした。
聖の夫もモラハラ気味なのですが、妻をなじる一方で自分を責めたり、やや不安定なメンタルの持ち主。「こういう男になりたくないな」と思いつつ、自分はモラハラしていないか、メンタルは安定しているかと、常に自分に重ね合わせています。そういう意味で『仏滅結婚』は自分の恋愛観を常に正してくれている作品です。
——平井さんが「この人とはお見合いもしたくない」と思うキャラクターはいますか?
平井 各キャラクターにはそれぞれ愛着があるので全員OKです。強いて言えば赤口の元カノの加奈はイヤですね。彼氏とうまくいかないからって、元カレのところに居候するって……なんだか節操がなくて(笑)。赤口のご飯を甲斐甲斐しく作ったりするのですが、そこもなぜかイラッとします。
男キャラだと、第22話に出てくる浦賀有益は論外ですね。名前からして真っ黒で、実際真っ黒。気になる方はコミックス4巻をチェックしてみてください。
結婚に悩みを持つ人に読んでほしい
——『仏滅結婚』はどんな人に読まれてほしいですか?
平井 コミックス1巻に「婚活に悩むすべての底辺に捧ぐ」というキャッチコピーをつけたのですが、これに尽きると思います。
「結婚ってなんだろう」
「僕も(私も)結婚できるのかな」
そんな悩みを持つみなさんに読んでいただきたいですね。世の中、上を見ればキリがありません。『仏滅結婚』を読んで、各キャラクターがもがく様子を見て、何かしらの希望を掴み取ってください。そしてドラマ化のオファーもお待ちしています(笑)。


