「親父にもぶたれたことない」若者が、主流派になっている。その結果、若者たちの反抗期や親子の関係性に変化が生まれているようだ。博報堂が実施した調査データを基に、Z世代とその親世代を分析した書籍『Z家族 データが示す「若者と親」の近すぎる関係』(光文社)から一部抜粋し、お届けする。(全3回の2回目/続きを読む)
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「父にぶたれたことがある」子どもが激減
19歳~22歳の「コアZ世代」と親の関係性がどれほど近く、親しく、密になっているのかを、1994年と2024年の「若者調査」の結果比較から紐解いていきましょう。
まず分かりやすいところでは、最近の若者は「親から殴られなくなった」というシンプルな変化があります。「親から殴られたことがある」に「はい」と答えた人は、94年の調査時には69.9%。若者の3人に2人は親に殴られたことがありましたが、24年の調査ではほぼ半減し、およそ3人に1人しかいなくなりました。
また、私たち生活総研は、10~14歳(小学5年生~中学2年生)の男女にアンケート調査を行う「子ども調査」を1997年、2007年、2017年の計3回にわたって実施しています。この3回目となる2017年の対象者の7年後が、ちょうど2024年の「若者調査」の対象者と重なるため、「コアZ世代の小中学生時代の意識」といえるデータです。
この調査にも、「お父さんにぶたれたことがある」という設問があります。これに「はい」と答えた人は1997年時点で69.8%いましたが、10年後の2007年には58.8%に下がり、さらに10年後の2017年(=コアZ世代の小中学生時代)には38.4%にまで落ち込んでいます。

