「母にぶたれたことがある」子どもの割合は?

「お母さんにぶたれたことがある」人も1997年には79.5%いたのが10年後には71.4%に減り、そこからさらに10年後には5割を切るところまで激減。「殴られた」に比べると「ぶたれた」という表現はライトなため、若者調査よりもやや値は高くなっていますが、父母共に手を挙げる親が大きく減っていることが分かります。

 

 1990年代後半からメディアでも教師の体罰問題が取り上げられるようになり、「いかなる理由があっても暴力は許されない」という社会全体の意識の変化も影響しているでしょうが、「有無を言わさぬ親」「拳で言うことを聞かせる親」が減ってきていることは間違いありません。

 逆に、若者自身もあまり反抗しなくなってきていることを示すデータもあります。一般的に、ティーンエイジャーに差し掛かるころから「反抗期」が始まるといわれるわけですが、若者調査によると「いわゆる反抗期があったと思う」と答えた人は1994年の71.4%から2024年には57.0%にまで減少しています。逆に、「温室育ちだと思う」に「はい」と答えた人は57.3%→70.7%に増加しており、きれいに逆転しているのです。

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博報堂生活総合研究所「若者調査」より

反抗期が「ささやかなもの」になりつつある

 減少したとはいえ、「反抗期があった」と自認している子どもは6割近くもいるじゃないかと思われるかもしれません。ただ、昔に比べて「反抗期の内容」がだいぶマイルドになっていることも無視できません。

 私たちは今回の研究で、若者とその親御さんに同時に話を聞くインタビュー調査を実施しました。そのなかで若者本人に対して反抗期があったかどうか聞くと、「ありました」と答える若者が少なくありませんでした。ところが、それを隣で聞いた親御さんは「え、反抗期、あった?」とびっくりしたり、「反抗期っていうほどではなかったよ」と笑いながらフォローを入れたりするケースがほとんどだったのです。

 昔のように、子どもが壁に穴を開ける、お互いに険悪な期間が長く続くといった激しい反抗期のあり方は影を潜め、親が気づかないほどの「ささやかな反抗」になっている。私たちも、若者の反抗期が減っているのではないかという仮説を持って取材をしていましたが、ここまで変わってきているのかと驚きました。

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