「給食事件がなくても自分は小さかったかもしれないけど…」

 しかしA子さんたちが転校した学校は、B子の母親が養護教諭として勤務している学校だった。さらにA子さんが6年生になるタイミングで小学校の統廃合があり、なんとA子さんが元いた学校と転校先の学校が統合され、A子さんは現在は再びB子と同じ小学校に通っている。

「A子はいま6年生になり、身長125センチ、19.1キロになりました。以前よりは大きくなっていますが、周囲の子どもと比べると体格的にはどうしても劣ります。いまでも食事に恐怖心があるようで、給食は食べられないので弁当を持参しています。教室で食べられないときは保健室で食べさせてもらっています。外食も難しく、家でも食事の時間になると表情が険しく乏しくなり、喉がつかえたりして毎日落ち込んでいます。『給食事件がなくても自分は小さかったかもしれないけど、食べるのは怖くなかった』と言うのを聞くと、本当にB子たちが許せません」

©︎渋井哲也

 今年の8月18日、尾道市の教育委員会は調査報告書を公表し、いじめを認めた上で「不登校と無関係ということはできず、むしろ大きな影響を与えている」と因果関係も認定した。ただしA子さん側の主張とは食い違う部分もあり、母親は「所見書」を提出したが公表されていない。文科省の「いじめ重大事態の調査に関するガイドライン」で「対象児童生徒・保護者からの所見所書を提出することが可能」だが、公表については定められていない。尾道市の教育委員会は、協議をしたうえで個別に判断する方針を示している。

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