シーズンに入ってから2度目のインタビューが行われた4月は、苦境の真っ只中。3月29日のタイガース戦は2回途中、4月5日のフィリーズ戦は5回途中で降板。いずれも勝敗はつかず、同12日のカブス戦では5回を投げきったが、打線の援護なく負け投手となっていた。先輩2人からのアドバイスについて尋ねると、「もちろん、聞けばなんでも教えてくれると思います」と人柄に敬意を払いつつ、あくまで自分で解決する問題とキッパリ明言。もがきながら、自身の課題と向き合った。

一番大事な時期に間に合えば

「2度のブルペンでも順調に投げられたので、このまま行けば8月中にマイナーでのリハビリ登板ができるかなと思っています。一番大事な時期、ポストシーズンに間に合えばと」(「週刊文春 電子版」2025年7月23日配信

ダイヤモンドバックス戦前に調整を行う佐々木 ©時事通信社

 5月9日のダイヤモンドバックス戦に登板後、右肩の痛みを訴えた佐々木。医師の診断結果は「インピンジメント症候群」。直後に故障者リスト入りして以降、治療とリハビリに専念してきた。復帰に向けて調整中だった7月に語られたロードマップは、その後想定していた通り実行された。実は、7月のインタビュー時には笑顔も多く見られ、復活に向けて順調な様子をうかがわせていた。

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どんな役割でも最高の舞台を経験したい

「中学時代は抑え投手でしたが、高校時代もプロに入ってからも1度も中継ぎの経験はないので、かなり迷いました。でも、その日のうちに『中継ぎで行きます』と返事をした。先発にこだわってポストシーズンで登板ゼロに終わるよりも、どんな役割でも最高の舞台を経験したいという気持ちがありました。加えて、当然チームに貢献したいという思いもあった」(「週刊文春 電子版」2025年9月18日配信