自民党総裁に選出された高市早苗氏の2021年の記事「総裁選に出馬します!」から、成長投資についての記述を一部紹介します。
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危機管理投資と成長投資を優先
私は、国の究極の使命は、「国民の皆様の生命と財産を守り抜くこと」「領土・領海・領空・資源を守り抜くこと」「国家の主権と名誉を守り抜くこと」だと考えている。
そして、「日本全国どこに住んでいても、安全に暮らすことができ、必要な福祉や医療、質の高い教育を受けることができ、働く場所がある」——そんな地方を増やしていくことが、「リスクの分散」と「日本の持続的成長」に繋がると確信している。
国がその使命を果たす上で必要なことは、トップが先見性をもって「リスクの最小化」と「全世代の安心感創出」に必要な法制度整備を断行することである。また、それとともに大胆な「危機管理投資」と「成長投資」を行うことである。
「危機管理投資」とは、自然災害やサイバー犯罪、安全保障上の脅威など様々なリスクについて、「リスクの最小化」に資する研究開発の強化、人材育成などを行うことだ。安全と安心を担保できる製品・サービスの開発や、社会実装などに資する財政出動や税制措置も含まれる。
「成長投資」とは、日本に強みのある技術分野をさらに強化し、新分野も含めて、研究成果の有効活用と国際競争力の強化に向けた戦略的支援を行うことだ。産業用ロボット、マテリアル(工業素材)、膜技術、量子技術(基礎理論・基盤技術)、電磁波技術などにおいて、日本は技術的優位性を持つ。
電磁波技術を例に挙げると、神戸大学の木村建次郎教授の手による「マイクロ波マンモグラフィー」は、販売まで数年かかるそうだが、「痛くない乳がん検診」が実現したなら、どれほど多くの女性が幸せになることだろう。乳房を押しつぶされて痛みが酷い現在のマンモグラフィーへの恐怖から乳がん検診を先送りしてしまう私のような女性が多いと思うが、検診の受診率が上がることによって早期発見に繋がり、医療費の節約にもなる。これは、世界中に輸出できる医療機器になるだろう。

