自民党総裁選に勝利し、史上初の自民党総裁となった高市早苗氏。高市氏が天皇制についての思いを語った、2021年の記事から一部を抜粋します。(聞き手:石井妙子・ノンフィクション作家)

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皇統の維持をどう考えていくのか

 ――2004年、小泉純一郎内閣において「皇室典範に関する有識者会議」が設置されました。その際には「女性、女系天皇を認める。皇位継承は長子優先」とする報告書が提出され、それを受ける形で国会でも審議が始まろうとしていた。当時も、高市さんは「男系男子の伝統を守るべき」と予算委員会で主張しました。男系男子に一貫してこだわってきた理由を改めて教えてください。

 高市 令和22年には皇紀で数えると2700年を迎えます。それだけ長い歴史のなかで大変な努力をしながら、初代神武天皇から繋がる血統、つまり、男系男子という万世一系の皇統を守り続けてこられたわけです。私は、126代も続いた皇統が、天皇陛下の権威と正統性の源だと考えています。

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高市早苗氏 ©文藝春秋

 世界の王室にも比類がありません。歴史上の皇室や王室の中で現存し、かつ世界最長の歴史をもつご皇室であり、皇統が維持されているからこそ、日本人は天皇陛下を別格の存在として尊敬し、誇りに思ってきました。日本人が先祖代々奉じてきた皇統を絶やして、ひとたび女系に変えてしまうと、元には戻せなくなってしまいます。

天皇陛下(宮内庁提供)

一度の例外もなく男系

 ――男系とは父が天皇、もしくは父親の父親の父親の、と父方だけをたどっていくと天皇に行き当たるということですね。それに対して天皇の娘の子孫は父方が天皇ではない、つまり女系である、と。

 高市 仮に、愛子さまが天皇に即位されたら、男系(父が天皇)の女性天皇になられる。その後、仮に愛子さまがAさんという民間の男性と結婚され、第1子に女子が誕生して天皇に即位されると、「女系(母親もしくは母方の先祖が天皇)の女性天皇」となられます。この天皇の男系の祖先はA家、女系の祖先は小和田家(雅子さまの父親の姓)ということになります。最初は男系の女性天皇、次に女系の女性天皇とすると、2代で男系の祖先も女系の祖先も民間人ということになってしまいます。