「実は続編を作ろうという動きがあったんです」
2012年には「文藝春秋」(2012年3月号)に「頭の中の『北の国から』――2011『つなみ』」を寄稿。東日本大震災の発生によって、福島県南相馬市の病院に看護師として勤める蛍の一家に降りかかる苦難と、純が原発の瓦礫物処理の仕事に身を投じる姿の構想が描かれていた。2021年には五郎役の田中邦衛が逝去する(享年88)。
「邦さんが亡くなって、実は吉岡(秀隆)くんや他の監督と続編を作ろうという動きがあったんです。日枝さんに手紙を出したんですけれども、まぁ、冷たかったですね。そのときに日枝さんというのはテレビ局の社長じゃなくて、不動産屋の社長なんだというのがわかりました。札幌に僕はよく行くけれども、老舗の札幌グランドホテルと札幌パークホテル、二つともフジのものなんですよね。テレビの儲けなんてたかが知れているということでしょう。
だから彼の本業はそっちへ行っちゃったんですよ。いつの間にかそういうコングロマリットになっちゃって、テレビというものに愛情を持たなくなっちゃったんだなと。さらに昨年からのフジテレビの騒動を見ていて絶望しました」
こう寂しく語る倉本氏はやがて、日枝氏に出した「北の国から」の続編を要望する手紙について、明かし始めたのだった――。
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10月8日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」並びに9日(木)発売の「週刊文春」では倉本氏独占インタビュー70分を全文公開。「北の国から」誕生秘話と撮影の裏側、そしてフジで続編が実現しなかった本当の理由と新たな続編計画まで余すことなく語っている。
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