今年は事務所が生んだスター、中居正広氏がやはり性的問題で突然引退しましたね。こうした負の連鎖を止めるには、皆が正直になるしかありません。真実を開示し責任を負うことです。日本の人々が、喜多川氏の周辺で何があったのかを完全に理解するまで問題は終わりません」

ジャニー喜多川氏

原告のふたりと出会った経緯

 ――原告のふたりとはどのようにして出会われたのですか?

「東京の弁護士たちが紹介してくれました。喜多川氏によって我が国に連れて来られ、我が国で性的虐待を受けた複数の元ジャニーズJr.の中に、今回原告となった田中純弥さんと飯田恭平さんもいました。話を聞いて私は怒りを覚えました。この世に児童への性的暴行ほど邪悪なことがあるでしょうか。氏の被害者の多くはほんの13、14歳。性的に未体験で、初めて氏から加害された時は何が起きているのかすらわからなかった。彼らの苦痛は生涯続き、人間関係や人生の選択に酷い影響を与えます。

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 私が田中、飯田両氏の代理人を受任した理由には、彼らがネバダ州で加害された事実のほかに――ネバダ州法の特殊性については後ほど説明します――人格に心を動かされたこともあります。そもそも、英語圏でも性被害を告白するのは困難です。ましてや日本文化にあって、しかも男性が同性に犯されたと公に口にするのは、はかりしれないほどつらく勇気のいる行為でしょう。

被告となる藤島ジュリー景子氏 Ⓒ時事通信社

 ふたりには、その障害を乗り越え事実を明確に語る能力があります。また、自分だけでなく他の被害者たちを代弁する意気もある。一例をあげれば、田中さんは、9月17日にタイで開催される国連の『責任あるビジネスと人権フォーラム』でスピーチをします。彼の行いは、将来起こりうる被害の抑止に大いに役立ちます」

※本記事の全文(約9000字)は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」と、「文藝春秋」2025年11月号に掲載されています(クリストファー・ブレナン「藤島ジュリーを逃さない」)。全文では下記の内容をお読みいただけます。
・性的虐待は殺人に次ぐ犯罪
・日本にはない司法制度
・スマイル社の報復体質
・東山氏はなぜ被告ではないか
・いくらなんでも高額すぎる?
・なぜネバダなのか
・ジュリー氏は出廷する?

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