多分、ジョニーにとって初めての恋愛感情だったので……
――特に印象に残っている、好きなシーンやセリフはありますか?
日穏 幼馴染で、引きこもりの神楽の家に行くシーンです。彼女にフィルムカメラで写真を撮ってと言われて、1枚撮り、ジョニーがもう1枚撮っていいか聞くと、神楽が「もう1枚撮るなんてバカなことだよ」って言うんです。そこがなんか好きなんです。その翌日、スカッシュ部の卒業アルバムのための撮影があって、カメラマンが「じゃあ、もう1枚行きます」って言う。そのときジョニーが突っ込もうとしてやめる。木村監督はそこをさらりと描いているんですが、すごく面白いなと思いました。
――クライマックスも印象的でした。好感を持っているある登場人物とのシーンで見せるジョニーの態度がなんとも言えないですね。
日穏 僕の解釈としては、多分ジョニーの中では初めての恋愛感情だったので、「これって本当に好きなのか」っていう迷いがあったと思うんですよね。はっきり恋だと断定できない曖昧な状態だった。そういう自分が何か行動するのは相手に失礼じゃないか……と。
――ジョニー、ちょっと面倒くさい性格ですね(笑)。
日穏 そうなんですよ(笑)。でも、自分も結構そういうところは白黒はっきりつけたいタイプなので、曖昧な感情のまま「こう思ってるよ」みたいに伝えるのは嫌ですね。
今後もちょっと一癖ある役をやってみたい
日穏 『代々木ジョニーの憂鬱な放課後』に出られて本当にありがたいなと思っています。ちょっとスポコンみたいな要素もありましたし、恋愛的なシーンも、僕がやりたかったコメディ的な要素もあった。自分の少ない演技経験の中でも、いろんなことを掴めたので、今後の作品に生きるんじゃないかなと思っています。
現場の雰囲気もとても良くて、楽しかった。共演者の年齢が近かったので、空き時間にはたわいない話をずっとしてたり、ペットボトルをひっくり返して立てる遊びとか、ラケット使ってモノマネとか、しょうもない遊びをたくさんしてました(笑)。


