相手の良い部分を認め、お互いにリスペクトするだけで人生は変わります。私は、その訓練を日本人も世界中の人も実践すべきだと思っています。「最後はちゃんと結果を出すよね」「大変だったと思いますが、すごいですね」「心の底から尊敬できます」。そんな平凡な言葉でいい。30秒の褒め言葉で、10年以上、働いてもらえることにも繋がる。これって、タイパからいうと最高じゃないですか(笑)。
雀士の目を持て
個人的な話をすると、大学卒業後に入社した不動産会社が10カ月で倒産してしまったので、その後6年間は、麻雀の世界で稼いでいました。私が強いと思う雀士の1人に、サイバーエージェントの藤田晋さんがいます。
麻雀の強い人は、じっくりと観察します。麻雀卓を囲みながら、対戦相手の3人がどこに牌を入れたのか、どこから切ったのか、どんな顔をしたのか、どんな雰囲気が漂っているのかずっと見ていないと勝てません。そんな「鳥の目」と「虫の目」の両方を持っているのが、雀ゴロ(麻雀で暮らしているゴロツキ)出身の藤田さんと私の共通点だと思います。藤田さんは格好良いので、見た目は全然違いますけどね(笑)。
PPIHグループでは、「顧客最優先主義」を不変の企業原理として掲げています。それは、最初は全然儲からなかったのに、ABEMA(旧AbemaTV)に投資し続けた藤田さんの考えにも通じると感じています。
※本記事の全文(約6700字)は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」と「文藝春秋」2025年11月号に掲載されています(安田隆夫「若きビジネスパーソンへ7つの遺言」)。全文では下記の内容をお読みいただけます。
・第一条 「贅沢病」の罠
・第二条 国境の壁を飛び越えろ
・第三条 思い切って「任せる」
・第四条 褒めれば職場は変わる
・第五条 雀士の目を持て
・第六条 優れた上司の条件
・第七条 次世代に繋ぐ
