「自宅に帰ってきたら、京子ちゃんがおもらしをしていた。古賀は怒って京子ちゃんを引きずりながら居間へ連れて行き、『お前、もう出て行け。父親のところか、施設に行け!』と言うと、京子ちゃんは『どちらも嫌です。皆と一緒にいたいです』と言うので、この言葉に古賀がキレて、京子ちゃんを平手打ちにし、リモコンで顔を叩き、木刀で手を殴った。

 さらに刃物を持ち出してきたので、必死で止めた。その間、奈緒は黙って見ているだけだった。古賀が京子ちゃんを裸足のままベランダに放り出し、古賀と奈緒は何事もなかったかのようにビデオを見ていた」

「やっぱり捨てるか、埋めるかやな」

 そして、京子ちゃんが死亡した後、森本は電話で古賀に呼び出された。

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「午後2時ごろ、古賀から電話で『京子の様子がおかしい。ちょっと確認しに来てくれないか』と連絡があった。奈緒は美容院に行っていて、古賀が1人でいたが、意外と落ち着いている様子だった。京子ちゃんを確認すると脈がなく、死んでいる様子だった。午後4時ごろ、奈緒が帰ってきて、京子ちゃんの姿を見て泣き出した。古賀は『このままやったら葬式も出されへん。やっぱり捨てるか、埋めるかやな』と言い、私と古賀は遺体を乗せた車を深夜に走らせ、昼間に下見をした墓地まで行った。

 空き地に穴を掘り、私が京子ちゃんの遺体を車から運び出して穴の近くに置いた。古賀は『京子の服を脱がして、裸にして埋めよう』と言ってきた。自分は一切手伝わず、すべて私にやらせた。古賀に『京子の服はゴミの日にポリ袋に入れて出そう。絶対にバレない』と言われ、持ち帰ることにした」

 古賀は公判で死体遺棄については「間違いない」と認めたが、保護責任者遺棄致死については「京子は極度に衰弱していたことはなく、病院に連れて行く必要があるとは思わなかった」として、無罪を主張した。

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