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「ティーチング」と「コーチング」の使い分け

 チームの構成メンバーが「ウサギ」=典型的なスーパースター型、「オオカミ」=ストイックなダークヒーロー型、「ヒツジ」=不可欠なムードメイカー型、「カメ」=魅力的なコツコツ努力型、の4つのスタイルに分類されるとした上で、更に重要になってくるのが「ティーチング」と「コーチング」の使い分けだ。ビジネス研修などを受講された事がある方ならご存知の事だと思うが、「ティーチング」と「コーチング」は全く別物である。「ティーチング」は「教える事」、「コーチング」は「導く事」と表現した方が分かり易いのかも知れない。

 ティーチングを行う上では、先に述べた4つのスタイル云々は、あまり必要の無いものだろう。誰がどのタイプと言った事はそう重要ではなく、技術や思考を指導すれば良いだけの話である。しかしコーチングとなれば話は別だ。メンバー個々のキャラクターをしっかりと把握した上で、正しい方向に導く必要があるのだから。もしティーチングだけを行い、そのまま放っておけば、ウサギはピョンピョンと高み高みを跳ね回り、オオカミは勝利のために他者を捕食してしまうだろう。ヒツジは呑み会の調整ばかりに夢中になり、カメは周りを無視して自分の考え、自分のペースで思ったままの方向に歩みを進める。なまじコツコツと着実に進むから問題が大きい。

 元は一流の選手達であったプロ野球の首脳陣。「ティーチング」に関しては誰もが超一流の指導を行っている事だと思う。ただ、チームを強化し勝利に導くといった意味では誰もが「コーチング」に苦戦しているのでは無いだろうか。ましてそこはプロスポーツの世界。指導者は「ティーチャー」ではなく「コーチ」なのである。ファン達に求められているものは「ティーチング」ではなく「コーチング」なのだ。チームメンバーの4つのスタイルをしっかり把握して、より良いコーチングで強いチームへと導いて貰いたいと、我々ファンは願っているのだ。

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 バンドマンごときが偉そうにコミュニケーションを語るな等と言わずに、そこのあなた。チームメンバーを分類したこの4つのスタイル。どうぞあなたの組織の、強いチーム作りへと役立てて頂けたら幸いである。

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