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T-岡田はウサギで、若月はカメ? 4つタイプで考える“強い組織”とは

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/08/10
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 さて、Bsの調子がなかなか上がらないこの時期。色々な所で頻繁に耳にする事がある。それは「○○は監督と合わないから起用されない」とか「××と△△を離した方が良い結果にならないか?」とか、そういったコミュニケーション論の話だ。それは何もプロスポーツの世界に限った事ではなく、我々バンドマンもバンド内で同じような問題を抱えている。脱退やメンバーチェンジの多くが、コミュニケーションに起因している事が多いのだ。勿論、一般の会社や職場においても同じような理由で頭を悩ませる事が多いだろう。どんな世界を生きてみても「強いチーム」を作るには、それ程コミュニケーションの強化は必要不可欠な物なのである。しかし、そもそも他人と他人が寄り集まって組織するのがチーム。ならばここら辺を掘り下げてみれば「強いチーム作り」に役立つのかもしれない。Bsの未来を考えながらも、我々の実際の社会生活にも役立つようなチーム・コミュニケーション論。今回は野球コラムという枠を超えてチームを強化するコミュニケーションについて考えてみようと思う。

チームとは4つのスタイルのメンバーで構成されている

 まずは下の表をご覧頂きたい。

メンバーを構成する4つのスタイル ©DOMI

 これはチームの構成メンバーを「結果」と「協調」を軸に関数グラフ化したものだ。Y軸が+に行くほど「勝利至上主義」、X軸が+に行くほど「チームワーク至上主義」とも言えるだろう。「ソーシャルスタイル」と検索すれば同じような内容が多数出てくると思うが、要はこの「ソーシャルスタイル」をよりスポーツ(ビジネス)シーンに置き換えてみたものだ。

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 ウサギは「典型的なスーパースター型」、オオカミは「ストイックなダークヒーロー型」、ヒツジは「不可欠なムードメイカー型」、カメは「魅力的なコツコツ努力型」と表現すればしっくり来るのかもしれない。自分なりに無理やりBs選手に例えてみたら、ウサギ=T-岡田選手、オオカミ=吉田正尚選手、ヒツジ=安達了一選手、カメ=若月健矢選手といった所か。あくまで誰が優れているといった話ではなく、このメンバーで構成する組織全体が強くなる事を目的としたものである。

 そして野球に限らず、どの組織も、どのバンドも、どのユニオンも、家族以外の組織は必ずこの4つのスタイルのメンバーで構成されている。あなたの職場のメンバーをざっと想像してみて欲しい。どうだろう、この4つのスタイルにメンバーを分類出来るのではないだろうか。また、相性についてもこの表から察知する事が出来る。お互いのスタイルの境界にある軸が双方の理解を得易い項目になるからだ。ウサギとオオカミであれば「結果」を、ウサギとヒツジであれば「協調」に重きを置いてコミュニケーションを進めれば良い。オオカミとカメも「お互いが馴れ合いを嫌う」という点では「協調」に重きを置いてコミュニケーションを図る事が出来るだろう。ヒツジとカメも同じくガツガツしない「結果」に協調し話を進めれば良いのだ。しかし、対極同士、言わばウサギとカメ、ヒツジとオオカミに関してはベクトルが同じ向きになる軸が無いので、コミュニケーションに苦戦しやすいとも言える。もし、あなたの職場にあなたの「どうしても苦手なタイプ」のメンバーが居るとすれば、実はこの表の対極側にいる「ウサギとカメ」もしくは「ヒツジとオオカミ」の関係なのではないだろうか。

「ウサギ」のT-岡田らBs選手たち ©文藝春秋
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