春先は売り子も探り探りで夏場に戦力が整のう?
常連客のチャボママさん(59)は毎試合お孫ちゃんのお守をしながら生ビールを飲んでいる。「私はいつも決まった子からしか買わんとよ。だけんその子が卒業するって時はお世話になりましたって挨拶に来るし、社会人になっても一緒に飲みに連れていったりもするとよ(笑)。その卒業の挨拶の時にね“ママ、次はこの子を宜しくお願いします”って後輩の売り子さんを紹介してくれて代々リレーで繋いでるけん私のビールの泡の割合の好みも引き継がれてるからいちいち注文せんで良いけん楽よ(笑)。
ただ春先の新人がいっぱいおる時に私がいつも決まったビールの売り子さんに手を挙げて注文するっちゃけど、慣れない新人の子が目があったと勘違いして近づいてくる時があるっちゃん。しかもカップにビールを注ぎながら近づいて来るもんだから心の中で“あんたじゃないのに(汗)”って言いながら仕方ないけん飲んだこともあるんよねぇ(笑)」と語る。
春先は選手も売り子も探り探りで夏場に戦力が整のうと言ったところか(笑)。
タカさん(54)はヤフオクドーム年間トップクラスの生ビール消費者と言っていい。1試合で7杯飲む酒豪のお客さんだ。そしてかなりマニアックなエピソードを持っている(笑)。現在8代目の推しの売り子さんという“ゆきのさん”は著者もウキウキするほど天真爛漫な雰囲気現役女子大生だ。
その前の7代目Yさんが大学卒業を機に売り子さんも引退し、そのタイミングを見計らってゆきのさんがタカさんの席に声を掛けに来て、気に入って固定になったそうだが、このタカさんの凄い所は全てをデータ化しているところだ。何年も前から試合の結果とハイライト、チケット代とビール代をエクセルデータで打ち込んでいるのだ。そして驚くべきは、どの売り子さんから何杯買って試合がどうなったという勝率までもがデータになっているという事だ(笑)。
タカさんは言う。「ビールの売り子で固定になる子は愛嬌と好み! 注ぎかたが分からないなら“それじゃつまらん! 教えてやる!”と言って自分好みの1杯を伝えて毎回なくなる頃に通り掛かってくれるようにしてもらうんですよ。ただ今年のゆきのちゃんは少し早くまわってくるから最後の二口ぐらいを一気に飲むことも多くてね、結果的に僕史上最高の年間316杯(一昨年)を大きく上回って、8月5日(44試合)までで289杯ですよ。これ年間400杯を越えるペースですよ(笑)」とはにかんでいた。
どうですか? あなたに近い野球場での生ビールの楽しみ方はありましたか?
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