高市早苗政権が発足して1カ月。この政権を支えているのは、どんな官僚たちなのか? 官僚の人事情報をどこよりも早くお届けする、月刊文藝春秋の名物連載「霞が関コンフィデンシャル」より、ダイジェストで紹介します。
“サプライズ人事”が相次ぐ高市政権
大きな注目を浴びたのは、首席秘書官に抜擢された前経産事務次官の飯田祐二氏(昭和63年、旧通産省入省)。とある経産省幹部は「おおらかでざっくばらんな人柄。他省庁幹部や自民党商工族の大物とも気さくに付き合い、人脈は広い」と飯田氏を評している(12月号「新秘書官は強者揃い」より)。
さらに、首相補佐官の秘書官に人材を送ってこなかった財務省が、新たな動きを見せた。国対委員長と首相補佐官を兼務する遠藤敬氏(日本維新の会)の秘書官に、主税局審議官に就いたばかりの岩佐理氏を送り込んできたのだ。遠藤氏の役割から見ても、岩佐氏は「陰の首相秘書官」的立場と言える(同「奇貨居くべしの財務省」より)。
一方、「国家安全保障局」(NSS)のトップだった岡野正敬前局長(昭和62年、外務省)は、政権発足のタイミングで突然の退任。新局長に就いたのは、インドネシア大使の発令を受けたばかりの市川恵一氏(平成元年、外務省)だ。〈常にポケットチーフを欠かさず、ほのかなコロンの香りを漂わせる典型的エリート外務官僚スタイル〉の市川氏には、永田町・霞が関で反感を抱く向きも少なくないという。その筆頭格が林芳正総務相。「昨日今日の因縁ではない」と外務省関係者は話す(同「まさかの復活劇」より)。
サプライズは官房副長官人事でも起きた。警察庁長官を今年1月に退官した露木康浩氏(昭和61年、警察庁)が、10月21日付で事務担当の官房副長官に就任したのだ。警察庁出身者の登用について、「高市首相の母が奈良県警の警察官だったこともあり親近感があるのでは。それだけでなく首相は以前から治安対策に熱心だった」(警察庁幹部)との指摘もある(同「治安対策で白羽の矢」より)。
高市政権の官僚人事を深く理解するための、さらに詳しい情報は、月刊文藝春秋12月号と、月刊文藝春秋のウェブメディア『文藝春秋PLUS』掲載の「霞が関コンフィデンシャル」で読むことができる。


