数百万、数千万、数億円規模の損失が

 会社で利益を上げるためにコストを下げるとなると、とかく無駄使いに目がいく。特に接待交際費などは、効果が分かりにくい割に、本人たちだけが良い思いをしているのではないかという疑念も湧いて槍玉に上がりやすい。

 実際には飲み食いしたことが会社に巨額の利益をもたらす取引に繋がることもあるし、空振りに終わって単に食事をしただけになることもある。ただ、どんな高級食材を使ったレストランでも一人5万円、最近では10万円の店なんかも出てきたけど、それでもたかが知れている。

写真はイメージ ©getty

 一方で、事業で赤字を垂れ流した場合、数百万、数千万、数億円規模の損失が毎月コンスタントに重くのしかかっていく。もちろん将来的に取り返せる先行投資ならいいけど、みんな上手く行っていないことが分かっているのに、誰もやめると言い出せず、だらだらと赤字を垂れ流してしまう。もし会社のコストを下げたいなら、赤字事業からの「撤退」が何より本丸ということになるだろう。

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 しかし、その「撤退」が非常に難しい。

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