野呂は、2010年にSDN48に移籍した。大島ら、かつてのチームメイトがどんどんブレイクしていき、悔しさも味わっていた頃、AKB48のコンサート「よっしゃぁ~行くぞぉ~! in 西武ドーム」にSDN48のメンバーとして出演した。彼女は2日目に参加。

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 初日の出来を秋元康に怒られ、落ち込んだ空気になっていると聞いていたため、野呂は、「元気〜!?」などと明るく入っていったそう。すると大島から「たかみな(高橋みなみ)、具合悪いんだから、ふざけんじゃねぇぞ!」と激怒されてしまったのだ。AKBのドキュメンタリー映画でも使われた有名なシーン(映画では大島が怒った相手は映っていない。実際に、その引き金を引いたのは佐藤由加理だという説もある。おそらく2人で重い空気を変えようとしていたのだろう)。彼女なりの気遣いが裏目に出てしまったのだ。大島の言葉にムッとした野呂は「知ってるよ!」と吐き捨て、佐藤とともにその場を立ち去ったという(『キョコロヒー』2024年2月26日)。

 ちなみに野呂と大島は現在でも「親友」。彼女への思いを歌った「肩とインコ」を『内村と相棒』(フジテレビ)内で制作し、配信でリリース。その野呂が監督したMVには、出産後で仕事をセーブしていた大島優子も特別に出演した。

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 野呂がカメラの前で叱られたのは、このときだけではない。

有吉弘行から「パチンコ番組、全力でやれよ」と叱られる

 それは、『ロンドンハーツ』(テレビ朝日)でのこと。事務所の先輩である有吉弘行に「進路相談」をするという企画(2013年2月5日)があった。

本人Instagramより

 2012年にアイドルを卒業した野呂は、バラエティと並行して、役者として小劇場で活動するようになっていた。せっかく夢だった役者の仕事をしていても、卒業したグループの他のメンバーが映画やドラマで華々しい活躍をしている姿と自分を比べ「本当はドラマや映画に出たいのに」などと愚痴を吐く日々。デビュー当時思い描いた「20代で若手女優として恋愛ドラマやバラエティに出て、30代で本格的女優として確立されるというイメージ」(『クランクイン!』2014年4月25日)とは程遠い状況だった。

 そうした思いを込め、番組で「いまはパチンコの営業などで食いつないでいるが、深津絵里のような女優になりたい」と吐露したのだ。

 すると有吉は呆れたように言った。