この女性が単独になった隙に逃げ出し、大阪府内の警察署に駆け込んだことで、一連の事件が発覚。
小野は取調べに「4人の妻を持って、それぞれに子どもを作らせて生計を立てるつもりだった」と供述しているという。
「晴香と凜はともに黙秘しています。警察は、二人とも小野に同じように監禁され洗脳されたと見立てています」(同前)
母親はどう思っていたのか
一方、この異常な“一夫多妻生活”において、捜査当局が注目する人物がもう一人いる。小野の母親だ。60代の母親は同じ新宿区内に住み、息子の自宅へ家事をしに通っていたという。
「週刊文春」取材班もこの母親の住居を訪ねた。小野が拠点とした“監禁現場”とは徒歩で行き来できる距離にあり、築60年近いこの建物には外国人が経営する飲食店の事務所やマッサージ店などがひしめく。インターホンを押すと、若い女性が出た。来意を告げると、女性はこういう。
「ここ、シェアハウスなんで、ちょっと呼んでみますから待ってください」
だが女性が戻ると「今はいないみたいです」という。
改めて母親の帰宅を待つと、60代ぐらいの女性が現れた。
――すいません、小野さんですか?
「はい」
――週刊文春の記者ですが。
「はい」
――息子さんの事件についてお尋ねしたい。
「あ、私、何も話せないですねえ」
――息子のマンションで家事をしていたと報道に出ていた。
「ああ。すみません、そういうの、今、私、弁護士さんに依頼してますので」
――息子さんがマンション住まいの一方でお母さんがシェアハウスに住まわれているというのはそもそもどういう状況なんですか?
「……それも、先生に相談しますね。とにかくお答えできないんで。失礼します」
こういうと母親は去った。
都会の喧騒の中で続いてきた異常なハーレム生活は、終わりを迎えた。
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