テスタ 雰囲気を読むっていうのは、そういうことです。そこが、時間軸の長い中長期投資であっても、自分はファンダメンタルズ100%じゃなく、テクニカル分析(株価をグラフ化したチャートから今後の値動きを予想する手法)を重視している理由ですね。

  ファンダメンタルズ100%の人って、決算などからその企業の本当の価値を弾き出し、その価格よりも今の価格が低かったら買うという考え方だと思います。もちろん、その分析が正しければ、時間が経てば株価はやがて上がっていく可能性は高い。でも、僕は待っている時間がもったいないと思ってしまう。

――では、どうするのでしょう?

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テスタ 株価が割安なものを買おうとすると、ただただバリュー株を揃えることになりがちで、結局上がらないかもしれないし、上がっても3年くらいかかるかもしれない。それってけっこう罠で。

  僕の場合は、割安な銘柄があるなと思ったら覚えておいて、世の中が気づいて株価が動き出すまで観察しておくんです。その間は他の銘柄を売買して、いざそれが動き出したら買う感じです。仮にすでに20%上がっていても、残りの80%を取る。そうすれば、時間効率も資金効率もめちゃめちゃいいですからね。

 

「株で勝てなくなったらただの一般人なので」

――なるほど。テスタさんは2024年2月についに総利益100億円を達成しました。その後も利益を増やし続け、今なお株への情熱が薄れていないように見えますが、「株をやめたら自分じゃなくなる」とか、「投資での成功こそが存在証明」といった気持ちもあるのでしょうか?

テスタ いやいや、そんな高尚な意識は全然ないですよ。もちろん、株が好きだし、勝ち続けたいっていうのが大前提ですけど、例えば今、テレビ番組やイベント出演など、いろいろなオファーをいただいていて、「すごく面白そうだな」「新しい経験になりそうだな」と思うから受けています。

  でも、それって、株で勝っているからこそいただける話じゃないですか。株で勝てなくなったらただの一般人なので、そういうオファーは来ないと思うし、芸人さんやタレントさんと並んで出演させていただいているのも、投資家だから。そこは勘違いしないようにしています。

  やっぱり長年株をやっていると、しんどかったり、疲れたりするし、モチベーションの保ち方が難しいところもあるんです。なので、なるべく新しいチャレンジをしようと思っているんですけど、新しい経験ができるのも、株で成功しているからこそ。「だから、勝ち続けなきゃ」って自分を奮い立たせている部分もありますね。

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1位:「さすがにもう無理だ」100億円投資家・テスタが忘れられない、破産の恐怖で血尿が出た“あの1週間”とは
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2位:「性行為を求められて…」「無理やりキスされた」男性投資家からの“セクハラ被害”を実名告発…被害者女性が明かす、スタートアップ業界の“闇”
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3位:資生堂 520億赤字でリストラ・希望退職者も募集…「大赤字の主因」を作った“プロ経営者”時代
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4位:日本一安い「田んぼの中のポツンとタワマン」の資産価値とは?
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5位:株価は下落、創業者一家なのに解雇…「元社員のストーカー」になってしまった“大手製薬メーカー・エリート副社長(43)”の末路(2010年の事件)
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